[ニュース] iOS用Kindle、VoiceOverに対応

2013年5月 2日

投稿者:中根雅文

AMZN Mobile LLCは5月1日、iOS用のKindleアプリケーションの新バージョン、Version 3.7を公開した。同バージョンでは、新たにVoiceOverに対応した。

iTunes Storeの同アプリケーションの配信ページには、このバージョンの新機能として以下の記述がある。

• アクセシビリティ機能を使えば、目の不自由なお客様や視覚障害のあるお客様でも、Kindleライブラリの操作、読書、 書籍とのインターアクションなどがより簡単にできるようになります。 端末の設定でVoiceOverを有効にすれば開始できます。

筆者が実際に試してみたところ、米国AmazonのKindle Storeから購入した英語書籍も、日本のKindle Storeから購入した日本語の書籍も、問題なく読み上げさせることができた。

読み上げについてはVoiceOverによって実現されている模様だ。そのため、VoiceOverの文字単位、単語単位、行単位の読み上げも可能となっている。また、iOSが対応している点字ディスプレイを接続すれば、書籍の内容を点字で読むことも可能だ。

マーカー機能など、VoiceOver使用者には実用的とはいえない機能もあるが、ブックマーク機能、ソーシャル・メディアを用いた共有機能、メモの付加機能、単語を選択して辞書を引く機能など、ほとんどの機能をVoiceOverを用いて問題なく利用できそうだ。

筆者が唯一問題だと感じた点は、文字単位の読み上げをさせた時に、漢字詳細読みが行われないという点だ。しかし、iBooksでも同じ状況であることから、これはKindleアプリケーションの問題ではなく、iOSのVoiceOverの問題である可能性が高いと考えられる。

このような問題があるものの、これまで視覚障害者が利用できたKindle用の端末やアプリケーションでは不可能だったことが可能になっており、Kindle書籍へのアクセシビリティーは大いに改善されたといえるだろう。

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