[ニュース] 国立印刷局、紙幣の識別をするためのiPhoneアプリを年内にも提供

2013年4月27日

投稿者:中根雅文

財務省と日本銀行、独立行政法人国立印刷局は、4月26日、紙幣の識別を容易にするための取り組みについての報道発表を行った。この中で、紙幣識別のためのスマートフォン向けアプリケーションを国立印刷局が開発し、年内を目処に無料配信を開始する予定であることが明らかにされた。

ケータイ Watchの報道によると、このアプリケーションはiPhone向けに開発されているという。また、担当者の話として「なお、「できるかどうかは今の段階ではわからないが」と前置きした上で、Android版の開発についても民間企業と検討を進めていると話している。」と伝えている。

日本で現在流通している紙幣には、視覚障害者が識別できるようにすることを目的に、紙幣表面下側の左右に触って分かるマークが付けられている。しかし、このマークは決して判別しやすいものではない上に、紙幣の流通の過程でさらに判別しにくいものになってしまう場合がほとんどで、実用性が低いという声もしばしば聞かれる。

また、1万円札、5千円札、千円札はそれぞれ横の長さが5ミリずつ異なるため、数種類の紙幣がある場合には、横の長さを比較することで紙幣の識別が可能だが、単数の種類の紙幣だけがある状況では、この方法で識別することはできない。また、2千円札の場合、5千円札よりわずか1ミリ短いだけで、大きさの比較による識別はきわめて難しいといって良いだろう。

今回開発中であることが発表されたアプリケーションは、現在流通している1万円札、5千円札、2千円札、千円札の4種類に対応しているということなので、一定程度この問題を解決することにつながることが期待される。

なお、同様の取り組みとしては、米国財務省が米ドル紙幣に対応した無料のiPhone向けアプリケーション、EyeNoteを配信している他、民間で開発、販売されている複数の国の紙幣に対応したiPhone向けのアプリケーションがいくつか存在する。その中には、日本円に対応したアプリケーションも存在する。

今回の報道発表では、スマートフォン向けアプリケーションの開発に加えて、5千円札のフォログラムの大きさと形状を変更することで識別製を向上させることなども明らかにされている。

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