サイパックは2月14日、iOS上でDAISY録音図書を再生するためのアプリケーション、ボイス オブ デイジー for iOSの最新版となるバージョン4.0を発売した。同バージョンでは、サピエから入手可能なDAISY形式の書籍の取り込み機能の強化などが図られている。
ボイス オブ デイジーは、DAISY形式の録音図書を再生するためのアプリケーションで、本文のテキストを備えたDAISY図書の場合、音声の再生に合わせて再生箇所のテキストをハイライト表示する機能も備えている。また、iOSのVoiceOverを用いて操作することができる。
DAISYは、視覚障害者に限らず、読むことが困難な人が広く利用することを想定して策定されている、国際的に普及している電子書籍のためのマルチメディア形式。近年、日本においても、以前はカセットテープで提供されることが普通だった視覚障害者向けの録音図書の提供に広く用いられている。
DAISY形式の録音図書は、全国各地の点字図書館からCDに収録されたものの貸し出しを受けることができる他、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営する「サピエ」の利用者は、インターネット経由でダウンロードして入手することができる。
このほどリリースされたボイス オブデイジー for iOS バージョン4.0では、サピエからダウンロードしたファイルを取り込むための機能強化などが図られている。具体的には、これまではiTunesを用いてファイルを転送する必要があったが、新バージョンでは、iOSのSafariでダウンロードしたファイルを直接取り込むことができるようになった他、他のアプリケーションから取り込むことも可能になった。
筆者が実際に試してみたところ、Safariでダウンロードした場合には、ダウンロード完了後にボイス オブ デイジーで開くためのボタンが出現した。また、予めPCでダウンロードしたファイルをDropboxに保存した上で、Dropboxアプリからそのファイルの共有を選択し、「このアプリで開く」を選ぶと、ボイス オブ デイジーに取り込むためのボタンが出現した。いずれの場合も、これらのボタンを押すことで、ボイス オブ デイジーが起動し、ファイルの取り込みが実行され、次いでファイルの展開が実行された。
この他に、同バージョンでは、新たにイヤホンのリモコンによる操作、iPhoneのシェイクによる再生停止機能や、バックグラウンド再生機能が追加されている。
ボイス オブ デイジー for iOSは、iOS 5以上を搭載したiPhone、iPadおよびiPod Touchで動作し、iTunesストアより入手できる。本稿執筆時点での価格は2,600円で、再生時間が120秒に制限されている無料版も提供されている。
なお、2月27日にアップデート版がリリースされており、現時点での最新版はバージョン4.0.2。