FCC (米国連邦通信委員会) は10月22日、Amazon、Kobo、ソニーから提出されていた電子書籍リーダーのアクセシビリティー要件の適用除外を求める嘆願書について、検討に時間が必要だとして、2014年1月28日までの期間、一時的に認めることを決定した。
2010年10月に公布された21st Century Communications And Video Accessibility Act of 2010は、ビデオ会議やテキスト・メッセージ機能を含む通信サービスへのアクセスを提供する全ての電子機器に対して、実現が不可能な場合を除いて障害者が利用できるようにすることを義務づけており、2013年10月8日以降に発売またはアップグレードされる機器やサービスが対象となる。ただし、同法では、通信サービスへのアクセス機能を有している機器であっても、通信サービスの利用が主な目的ではない機器については、この要件の適用を除外することができるとしている。
Amazon、Kobo、ソニーが2013年5月16日に提出した嘆願書では、以下の条件の全てを満たす電子書籍リーダーについて、この要件の適用を除外するように求めている。
- 液晶画面を搭載していない。
- カメラを搭載していない。
- Eメール、インスタント・メッセージ、VoIPなどの機能を提供するためのアプリケーションがインストールされていない状態で出荷され、また機器の生産者がこれらのアプリケーションをその機器向けに開発していない。
- 電子書籍閲覧用の機器として販売されており、通信サービスへのアクセス機能について強調するような宣伝を行っていない。
FCCでは、8月1日から9月13日の期間、この嘆願書に関する一般からの意見募集を行い、多くの意見が寄せられたという。
この件について検討を進めているConsumer and Governmental Affairs Bureau は、アクセシビリティーに関する要件の適用が必須になった10月8日は、意見募集期間の終了日から3週間余りで、検討を進めるためにはさらに時間が必要だという判断に至ったという。
今後、アクセシビリティーに関する要件の適用除外が求められているような機器について、これらの機器が通信サービスを利用する以外の目的で設計されているのか、具体的には、通信サービスへのアクセス機能を削除した場合、主目的である電子書籍閲覧にどの程度の影響を及ぼすのかといった点などについて検討が進められるとしている。
関連リンク
- FCCによるリリース (英文):
- この件に関して伝えるTelecom Law Monitorの記事 (英文)