[ニュース] WebAIM、Screen Reader User Survey #5の結果を公表

2014年2月28日

投稿者:中根雅文

WebAIMは2月26日、2014年1月に実施したスクリーン・リーダーに関する第5回のアンケート調査、Screen Reader User Survey #5の結果を公表した。

今回の調査は、2009年1月、同年10月、2010年12月、2012年5月に続いて5回目となる。

回答者数は1465名。回答者の居住地域は、北アメリカが61.4パーセント、イギリスおよびヨーロッパが20.6パーセント、アジアが10.4パーセントなどとなっている。

WebAIMでは、興味深い結果として次の点を挙げている。

  • ラップトップ環境でスクリーン・リーダーを利用しているユーザー (81パーセント) が、デスクトップ環境で利用しているユーザー (78パーセント) を上回った。
  • Windowsのユーザーは減少しているが、回答者の82.8パーセントに利用されている。
  • JAWSが依然として50パーセント程度のシェアを保っているが、Window-Eyesは前回調査の12.3パーセントから6.7パーセントとシェアを半減させている。その一方で、NVDAとVoiceOverはユーザー数が増加している。
  • 回答者の58.7パーセントがInternet Explorerを主に利用するブラウザーとして挙げている一方で、Chromeを主に利用するブラウザーとしている回答者は2.8パーセントにすぎない。
  • JavaScriptを有効にしていた回答者は97.6パーセントと非常に高い値が維持された。JavaScriptを無効にしているユーザーは、FirefoxでNoScriptアドオンを利用していたり、Linux上でLynxを利用しているユーザーではないかと考えられると分析している。
  • NVDAやVoiceOverなど、無料または低コストのスクリーン・リーダーを、商用のスクリーン・リーダーに対する現実的な選択肢として肯定的にとらえるユーザーが74パーセントと、増加傾向にある。
  • 82パーセントの回答者が、モバイル環境でもスクリーン・リーダーを利用している。主に利用しているプラットフォームとして、最も利用されているのはiOS (65.2パーセント) で、Android (16.0パーセント) やノキア (14.3パーセント) の利用者数を大きく上回っている。
  • Webサイトがユーザーがスクリーン・リーダーを利用していることを検知できるようにすることに関して、79パーセントのユーザーが大きな不快感を感じておらず、87パーセントのユーザーはそれによってアクセシビリティーが向上するのであれば不快に思わないとしている。

この他に、筆者は以下の点に注目した。

  • モバイル環境のスクリーン・リーダーを、デスクトップ/ラップトップ環境のスクリーン・リーダーよりも多く利用するというユーザーは12パーセントに留まっているが、同程度に利用するというユーザーが32パーセント存在する。
  • ARIA Landmarkを全く活用しないというユーザーは13.1パーセントにすぎず、ユーザーの間にもARIA Landmarkに対する認知が広まっていることを見て取れる。
  • その一方で、情報量が多いWebページで情報を見つける際にARIA Landmarkを活用するとしているユーザーは2.8パーセントに留まっており、65.6パーセントのユーザーはページ中の見出しを活用すると回答している。
  • 回答者の97パーセントが、スクリーン・リーダーの利用の習熟度について、上級者もしくは中級者と回答している。

全ての設問に対する回答状況と、WebAIMによる分析は、WebAIMのサイトで公開されている。

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