WebAIMは2月26日、2014年1月に実施したスクリーン・リーダーに関する第5回のアンケート調査、Screen Reader User Survey #5の結果を公表した。
今回の調査は、2009年1月、同年10月、2010年12月、2012年5月に続いて5回目となる。
回答者数は1465名。回答者の居住地域は、北アメリカが61.4パーセント、イギリスおよびヨーロッパが20.6パーセント、アジアが10.4パーセントなどとなっている。
WebAIMでは、興味深い結果として次の点を挙げている。
- ラップトップ環境でスクリーン・リーダーを利用しているユーザー (81パーセント) が、デスクトップ環境で利用しているユーザー (78パーセント) を上回った。
- Windowsのユーザーは減少しているが、回答者の82.8パーセントに利用されている。
- JAWSが依然として50パーセント程度のシェアを保っているが、Window-Eyesは前回調査の12.3パーセントから6.7パーセントとシェアを半減させている。その一方で、NVDAとVoiceOverはユーザー数が増加している。
- 回答者の58.7パーセントがInternet Explorerを主に利用するブラウザーとして挙げている一方で、Chromeを主に利用するブラウザーとしている回答者は2.8パーセントにすぎない。
- JavaScriptを有効にしていた回答者は97.6パーセントと非常に高い値が維持された。JavaScriptを無効にしているユーザーは、FirefoxでNoScriptアドオンを利用していたり、Linux上でLynxを利用しているユーザーではないかと考えられると分析している。
- NVDAやVoiceOverなど、無料または低コストのスクリーン・リーダーを、商用のスクリーン・リーダーに対する現実的な選択肢として肯定的にとらえるユーザーが74パーセントと、増加傾向にある。
- 82パーセントの回答者が、モバイル環境でもスクリーン・リーダーを利用している。主に利用しているプラットフォームとして、最も利用されているのはiOS (65.2パーセント) で、Android (16.0パーセント) やノキア (14.3パーセント) の利用者数を大きく上回っている。
- Webサイトがユーザーがスクリーン・リーダーを利用していることを検知できるようにすることに関して、79パーセントのユーザーが大きな不快感を感じておらず、87パーセントのユーザーはそれによってアクセシビリティーが向上するのであれば不快に思わないとしている。
この他に、筆者は以下の点に注目した。
- モバイル環境のスクリーン・リーダーを、デスクトップ/ラップトップ環境のスクリーン・リーダーよりも多く利用するというユーザーは12パーセントに留まっているが、同程度に利用するというユーザーが32パーセント存在する。
- ARIA Landmarkを全く活用しないというユーザーは13.1パーセントにすぎず、ユーザーの間にもARIA Landmarkに対する認知が広まっていることを見て取れる。
- その一方で、情報量が多いWebページで情報を見つける際にARIA Landmarkを活用するとしているユーザーは2.8パーセントに留まっており、65.6パーセントのユーザーはページ中の見出しを活用すると回答している。
- 回答者の97パーセントが、スクリーン・リーダーの利用の習熟度について、上級者もしくは中級者と回答している。
全ての設問に対する回答状況と、WebAIMによる分析は、WebAIMのサイトで公開されている。