[記事紹介] Android版Firefox、バージョン25のTalkBack向け新機能

2013年8月26日

投稿者:中根雅文

Mozillaのエンジニア、Marco Zehe氏が、8月19日付けのブログ投稿で、10月末に正式リリースが予定されているFirefox for Android Version 25で追加されるTalkBackユーザー向けの新機能について紹介している。以下、同氏の投稿を元に紹介する。

オブジェクトに関する情報の読み上げ順序の変更

現在レビューしているオブジェクトに関する情報を読み上げる際、まず名前、ラベル、もしくはテキストを読み上げ、その後でリンクやボタンといったそのオブジェクトの持つセマンティクスを読み上げるように変更される。これにより、より重要な情報から読み上げられることになる。

Version 24の新機能として紹介したこの機能だが、Version 25ではこの読み上げ順序がデフォルトになるという。なお、about:config画面で、 accessfu.utterance の値を0に変更することで、従来の読み上げ順序に戻すことができる。

ARIA landmarkのサポート

新たにARIA landmarkがサポートされる。フリックやタッチなどで画面上をレビューしている際に、ARIA landmarkで定義された領域に入ると、そのlandmarkが読み上げられる他、3本指による上下方向へのフリック (キーボード使用時はDとShift+D) で、ARIA landmark間の移動が可能になるという。

tableのサポート

表について、適切に読み上げられるようになる。具体的には、列や行の見出しが読み上げられる他、複数の行や列にまたがったセルについても、適切に読み上げが行われるという。また、captionやsummaryの内容、表の縦横のサイズなども読み上げられる。

表内部をレビューする際は、同じ行の中で移動している場合には列の見出しだけが読み上げられ、同じ列の中で移動している場合は行の見出しだけが読み上げられるといった形で、余分な情報が読み上げられないようになっているという。

レイアウト・テーブルの無視

Firefoxには、table要素がレイアウトのみを目的として使用されているかどうかを判断する仕組みがあり、この仕組みでレイアウト・テーブルと判断されたtable要素については、tableそのものの情報やセルの情報を読み上げないことによって、余分な読み上げを発生させないという。

追加情報がある場合の読み上げ

title属性やaria-describedby属性で何らかの追加情報が提供されている場合は、これらの情報を読み上げるようになる。ただし、これらの情報の内容が、例えばa要素の中身と同じ内容だった場合のように冗長なものになる場合には読み上げられないという。

レビュー時の移動単位の変更が可能に

左右フリックを使ったレビュー時に、フォーカスを移動する単位を文字、単語、段落単位に変更することができる。これは、Android 4.1以降のTalkBackと同じゼスチャーで変更が可能だという。

点字サポートの改善

Version 24で点字出力が可能になったが、Version 25ではカーソル位置を示す表示がされるようになるのに加えて、カーソル・ルーティング・スイッチを使ったカーソル移動も可能になる。また、編集領域に入力した際に、点字表示も適切に更新されるようになるという。

タッチ・イベントの処理の改善

これまで、本来ならばタッチによって反応するべき要素が反応しないということがあったが、この問題が改善される。例えば、モバイル版Twitterで、ツイートのニックネーム部分をタップしたような場合にこのような問題が見られたとという。

タッチ操作の改善

プレイン・テキストなど、一部の要素がタッチ操作で正しく見つけられないようなことがあった問題が改善される。

この他にも細かい変更が加えられており、特にframeやiframeが含まれるページの処理において改善が見られるという。

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