Mozillaのエンジニア、Marco Zehe氏の6月21日付けのブログへの投稿によると、Android版Firefoxは、9月に正式リリースが予定されているバージョン24で、視覚障害者向けのアクセシビリティー機能が大幅に強化されるという。以下、同氏の投稿より、強化されるポイントを紹介する。
点字のサポート
Androidでは、BrailleBackというプログラムで、OSの点字サポートが実現されている。このプログラムはTalkBackとは別のプログラムで、必要に応じてGoogle Playよりインストールすることで利用できる。
Firefox 24では、このBrailleBackを用いた点字出力がサポートされる。BrailleBackによる出力は、単純にTalkBackの音声出力内容を点字化したものではなく、現在レビュー中のオブジェクトやその周囲のオブジェクトを適切に表現したものになるという。また、点字ディスプレイに搭載されているキーやタッチ・カーソル・ボタンなどを用いてナビゲーションのためのコマンドを送出することで、閲覧中のWebコンテンツの中の移動、リンクやボタンのアクティベートなど、ハードウェアキーやタッチスクリーンのタップで実行できるのと同じ機能を実行することができるという。
オブジェクトに関する情報の読み上げ順序の変更
現在レビューしているオブジェクトに関する情報を読み上げる際、まず名前、ラベル、もしくはテキストを読み上げ、その後でリンクやボタンといったそのオブジェクトの持つセマンティクスを読み上げるように変更される。これにより、より重要な情報から読み上げられることになる。
テキストの編集が可能に
input要素やtextarea要素で実現されたテキスト入力フィールドでの、テキストの編集が可能になる。入力の際は、文字単位、単語単位、textareaの場合は段落単位で移動することができ、入力内容の確認や修正が可能だという。
textareaのアクティベートに関するバグの修正
これまで、多くのtextareaについて、アクティベートしてキーボードからの入力をできるようにすることができないというバグがあった。例えば、Facebookのステータス更新や、Twitterのツイート投稿のためのtextareaでこのバグが確認できるという。Firefox 24では、この問題が修正される。
装飾のための画像の無視
alt=""を使って、装飾目的であることが明示されている画像については無視するようになる。
ラベルの処理の改善
これまでAndroid版Firefoxでは、要素ないのテキストからラベルを探して音声で出力する処理をしていたが、aria-labelなど、何らかの方法で明示的にラベルが付けられたコンテンツについては、これを用いて音声・点字出力を行うようになる。
ポップアップの通知
ページ上の任意の要素をアクティベートした際にポップアップが発生する場合は、音声や点字で通知されるようになる。このような例としては、Facebookの友達リクエスト、メッセージやお知らせなどが挙げられるという。
全てのタブを閉じた際にコンテンツを確認できなくなるバグの解消
これまで、全てのタブを閉じると、その後TalkBackを使ってコンテンツの内容を確認できなくなるというバグがあった。このような状況においては、Firefoxを一度終了・再起動しなければならなかった。このバグが改称されるという。
ダブルタップして長押しのゼスチャーが使用可能に
これまで、コンテクスト・メニューを表示するためのダブルタップして長押しのゼスチャーが正しく使えないというバグがあったが、このバグが修正されるという。
doorhangerへのフォーカスに関するバグの修正
パスワードの保存に関する問い合わせなどに使われているdoorhanger notificationと呼ばれるコンポーネントについて、これまでフォーカスが頻繁に外れてしまうというバグがあったが、このバグが修正されるという。
リリース時期
これらの変更は、既にNightly buildには行われており、Auroraリリース・チャンネルで配布されているバージョンにも含まれているという。
Firefox 24は、8月にBetaとなり、9月にリリースされる予定だ。