[ニュース] WAICが「ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン」を更新

2013年8月18日

投稿者:植木 真(インフォアクシア)

8月14日に、WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)が、「ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン」を更新した。同ガイドラインは、JIS X 831-3:2010の「6.1 企画」の要求事項に沿って、ウェブサイトやアプリケーション等の方針を定める際の参考文書として作成されたもの。2012年10月に初版が公開され、今回が初めての更新となる。

JIS X 8341-3:2010の「6.1 企画」では、方針を定めて文書化すること、その方針には目標とする等級を含めることが要求事項として明記されているが、具体的にどのような文書にまとめればよいのかが不明確である。そのため、方針の文書に明記すべき事項と具体例を示したのが、この「ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン」だ。

「今回更新されたのは、同ガイドラインの「2.1 対象範囲」。ウェブサイトやアプリケーションで全ページでの対応が困難な場合、「最終目標は全体を対象とするという前提で、以下の例のように当面の目標を併記する」として、次のような具体的な記述例を追加している。

  • 特定のディレクトリのみを当面の対象とする場合
  • 特定のディレクトリを対象外とする場合
  • HTML以外のウェブページを除外する場合
  • 動画を除外する場合
  • 新規作成ページのみを対象とする場合
  • CMS配下にあるページのみを対象とする場合

国や自治体のウェブサイトに対しては、総務省の「みんなの公共サイト運用モデル(2010年改定版)」において、2012年度中にサイトの方針を文書化して公開することが目安とされていた。しかし、実際には方針を公開できているサイトが半数にも及んでいない。また民間企業のサイトにおける取り組みも一部の企業のみに留まっているのが現状だ。

今回の更新により、全ページでの対応が困難でも、まずは可能なところから最初の第一目標として設定し、段階的に取り組んでいくというアプローチもあることがより明確になったといえる。

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