ウェブアクセシビリティ基盤委員会 (WAIC) は、スキップリンクと呼ばれることが多い、本文へのジャンプを可能にするためのリンクをWebページの先頭に配置する実装方法についての見解の変更に関する意見募集を開始した。これまでJIS X 8341-3:2010の等級Aを満たす上で必須とされていたこの実装方法について、必須としないという見解に変更される予定だ。意見募集期間は、2013年1月7日 (月) から2月1日 (金) まで。
今回予定されている見解の変更は、同委員会が公開しているアクセシビリティ サポーテッド情報の見直しに伴って行われるものだ。これまで、同委員会では JIS X 8341-3:2010 の達成基準、「7.2.4.1 ブロックスキップに関する達成基準」を満たすためには、いわゆるスキップリンクの提供と、本文の先頭の見出しをマークアップすることが必要だという見解を示してきた。しかし、スキップリンクについては、当初これを必要としていた視覚障害者のWeb閲覧環境が変わり必要性が低下したと考えられること、しばしばスキップリンクが有用だという意見が聞かれる肢体不自由のユーザーにとっても実際にはアクセシビリティを向上させることにつながっていないと考えられること、そもそもこのような機能は、ブラウザーなどのユーザー・エージェントが提供すべきであるという点などから、その必要性がさほど高くないことが考えられ、これを必須とする見解を見直すことになったという。
今回の意見募集は、実際にWeb閲覧をするユーザーにこの見直しが与える影響について確認するために実施されている。
意見は、メール、FAX、郵便のいずれかの方法で、1月7日 (月) から 2月1日 (金) までの期間受け付けられている。