今回は、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の実装ワーキンググループのメンバーでもある、ビジネス・アーキテクツの太田良典さんをゲストに迎えてお送りします。
年末から年始にかけてAccSellクリッピングに掲載した内容のの紹介に続いて、いわゆる「スキップリンク」について話しています。
- スキップリンクってそもそもなに?
- 便利だった時期があるのは確かだけど、今は状況が違うんじゃないのかな?
- スキップリンクがないと困る人っているのかな?
といった点について話しています。
- Podcast
- 約41分:41.5MB
- ポッドキャスト第11回: 「[急募] スキップリンクがないと困る人!」をダウンロードする
- YouTubeで再生する
今回のゲスト
太田 良典 (おおた よしのり) さん
第八回富士見ファンタジア長編小説大賞で準入選を果たすなど、作家活動に励む傍ら、独学でHTMLやCSSなどのフロントエンド技術を学ぶ。HTML4.01のW3C仕様書を精緻に翻訳した「HTML4仕様書邦訳計画補完委員会」の委員を務めた後、2001年にビジネス・アーキテクツへ参加。HTML、CSS、アクセシビリティ、ユーザビリティ、セキュリティといった分野にまで幅広い造詣と専門性をもつ。
セキュリティ分野においては、「第二回IPA賞(情報セキュリティ部門)」を受賞。アクセシビリティ分野では、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の実装作業部会に参加するなど、自身の専門性を幅広く発揮している。
著書(共著)に「Dreamweaverプロフェッショナル・スタイル」「ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック5 Webプログラミング」など。
収録後記
アクセシビリティを考える時、「ないと困る」機能と「あると便利」な機能が一緒に議論されることがしばしばあります。後者はアクセシビリティというよりユーザビリティの領域だと思うのですが、この違いを意識せずにアクセシビリティを考えると、あらゆる便利な機能を実装することになってしまうんじゃないだろうか、とよく思います。
ポッドキャストの中でもお話ししましたが、スキップリンクは当初はないと困るものだったものの、徐々にあると便利、つまりなくても良いものになってきたのではないかという気がしています。この点、ぜひいろいろな方の意見を聞きたいです。
(中根 雅文)
スキップリンクのお話を聞いていて、UIやIAで解決できることも多そう、ということを改めて知ることができました。
あと、収録後にみなさんとご飯に行ったんですが、酔っ払って太田さんに「で、scope属性はいるの、いらんの」って何度もからんですいません(恥)。
(山本 和泉)
アクセシビリティの代名詞的存在の一つでもあったスキップリンク。スクリーンリーダーのユーザーにとっての必要性は、今ではかなり下がってきました。気になるのは、肢体不自由などでマウス操作ができないユーザーにとっての必要性ですね。
そういえば、HTML5では、新たにmain要素というのが提案され、HTML 5.1の仕様に追加されました。そして、ブラウザには、このmain要素を使用したナビゲーション機能の提供が推奨されています。その機能が実装されれば、マウス操作ができないユーザーにとっても、スキップリンクの必要性はほぼなくなるものと考えられます。
というわけで、特にマウス操作ができないユーザーの方からのご意見をお待ちしております!
(植木 真)