World Wide Web Consortium (W3C) のWeb Accessibility Initiative (WAI) は、現在策定を進めているUser Agent Accessibility Guidelines (UAAG) 2.0およびその関連文書Implementing UAAG 2.0の、2013年5月23日付けの草案に対する意見募集を行っている。提出はメールで、6月21日まで受け付けている。
UAAGは、W3C/WAIが開発するWebアクセシビリティーに関連するガイドライン文書の一つで、Webブラウザーなどのユーザー・エージェントの設計や機能について示している。
2013年5月23日付けのUAAG 2.0草案によると、以全のバージョンから以下の点が変更されているという。
- Introductionを更新して、達成基準のレベルA、AA、AAAの定義を追加。
- IntroductionにWCAGとUAAGの関係を解説した項を追加。
- Introductionのユーザー・エージェントの定義に関する項に詳しい説明を追加。
- アクセシビリティ機能を提供するブラウザ拡張プログラムが、限定的な適合を宣言できるような適合モデルを適用。
- モバイル環境のブラウザやアプリケーションにおいて、これらが動作するプラットフォームがUAAGの達成基準を満たしていない場合にも適合を宣言できるようにするための項をConformanceに追加。
- Implementing UAAG 2.0に、モバイルのアクセシビリティに関する例を追加。
WAIでは、これらの変更点に加えて、以下の点に関して、特に障害者およびブラウザや支援技術、プラグイン、拡張機能、アクセシビリティAPIの開発者からの意見を求めている。
- モバイルのWebアプリケーションのユーザー・インターフェース特有のアクセシビリティに関するニーズで、UAAG 2.0がカバーできていないものがあるか。
- Relationship with WCAGの項 - WCAGは全てのWebコンテンツに対して適用され、UAAGはWebアプリケーションのユーザー・インターフェースに関する指針を与えるものであることが明確になっているか。
- 5.1.1項 - 特定のユーザー体験をもたらすユーザーエージェントを開発している場合、例えばWindowsプラットフォーム上で動作するMacintosh風のユーザーエージェントを開発している場合、Windowsのプラットフォーム固有のアクセシビリティに関する条件を満たす必要があるか。
- Conformanceの項 - UAAG 2.0の必須条件の中には、プラットフォームが提供する機能によって満たされるものもあり得る (例: 携帯電話におけるキーボード・ショートカット) 。例えばWebアプリケーションのように、複数のプラットフォームで動作するユーザーエージェント・ソフトウェアにおいて、全てのプラットフォームで動作しない機能があっても適合を宣言できるようにするべきか。
- アクセシビリティに対応する技術の例として、他に適切なものがあるか。 「例: WAI-ARIA, HTML5 Canvas, IndieUI)
本件に関する意見は、6月21日までpublic-uaag2-comments@w3.orgで受け付けられている。なお、提出された意見はWeb上で公開される。