こんにちは!AccSellメール・マガジン第38号を発行しました!
- [連載] 「CSUN 2014」レポート
- 植木真編
- 中根雅文編
です!
今回は、2014年3月18日(火)〜21日(金)にアメリカのサンディエゴで行われたアクセシビリティカンファレンス「CSUN(シーサン)」に参加した植木と中根の現地レポートです!
内容もりもりですごいです。
[特別記事]植木 真の「CSUN 2014」レポート
CSUN、行ってきました。成田を出発して、ロサンゼルスを経由してサンディエゴ入り。今回は、18日(火)のプレカンファレンス・ワークショップから参加し、19日(水)〜21日(金)の3日間がカンファレンス本番でした。朝8時から夕方5時20分まで、1時間のセッションが毎日7コマあるというハードスケジュールということもあって、金曜日まであっという間に終わってしまいました。さて、今回のメルマガでは、いつもの連載はお休みして、この「CSUN 2014」参加レポートをお届けしようと思います。
CSUNを振り返るにあたってですが、やはり世界最大級のカンファレンスです。すでに、まとめサイトみたいなものが出来ていたりします。
- THE GREAT BIG LIST FROM THE 2014 CSUN INTERNATIONAL TECHNOLOGY & PERSONS WITH DISABILITIES CONFERENCE:公開されたスライドや参加者のブログ記事などのリンク集
- CSUN 2014 WEB TRACK MEGA POST:セッション参加者のブログ その1
- CSUN14 | AlastairC:セッション参加者のブログ その2
- CSUN 2014 | WebAble TV:セッションやインタビューの動画サイト
これらのサイトをくまなくチェックすれば、主要なセッションの内容はおおよそ把握できてしまうかもしれません。では、皆さん、全部英語ですが、これらのサイトをくまなくチェックしてください...、ってオイ!(笑)
では、実際に参加したセッションから印象に残ったものを幾つかご紹介して、皆さんとシェアしたいと思います。
HTML5のアクセシビリティはどんな感じ?
Accessibility Features of HTML5 - Mark Sadecki(W3C / Web Accessibility Initiative):スライド
Mark Sadecki氏は、W3CのWAI(Web Accessibility Initiative)のメンバーなので、さしづめ "W3C謹製" のセッションだったともいえます。
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[特別記事] 中根雅文の「CSUN 2014」参加レポート
さて、そんなわけで私も11年ぶりにCSUNに参加してきました。
CSUNの概要などについては、既に植木さんが解説してくれていますので割愛して、私は展示会場で見つけたものや、その他気になった話題などを紹介します。
展示会の概要
展示会は、一般のセッションが始まった水曜の昼過ぎに開場し、金曜の夕方まで開催されていました。会場に使われていたのは、大きなイベントなどの開催に使われるであろう、非常に広い部屋です。ここに、多数の企業や組織がブースを構え、最新製品を紹介したり、各組織の取り組みを紹介したりしていました。手元の資料を見ると、120近い組織が出展していたようです。
参考: CSUN 2014出展者一覧
アクセシビリティーというとWebのアクセシビリティーを思い浮かべる人が少なくないと思いますが、ポッドキャストなどでもお話ししていますように、決してWebに限った話ではありません。CSUNでは、セッションのリストを眺めてみるとそれなりにWebアクセシビリティーに関する話題がある一方で、Webとは直接関係ない話題も多く見られます。
そして、展示の方はというと、Webアクセシビリティーに直接関係するようなものはほとんどないのではないかと思います。ではどのようなものが展示されているのかというと、いろいろな種類の障碍者向けの最新機器やサービスなどです。
その中でも特に多いと感じられたのは、視覚障碍者向けの製品、そしてAACと呼ばれる分野の製品です。
AACとは、Augmentative and Alternative Communicationの略で、何らかの障碍で発話が困難だったり、意思表示が難しい人がコミュニケーションをとるために活用できるような機器のことを、AAC devicesなどと呼びます。
今回私が特に注目したのは、点字ディスプレイを中心とした視覚障碍者向け製品です。以下、点字ディスプレイ関連の展示で特に印象に残ったもの、そしてそれ以外の展示物について紹介します。
点字ディスプレイのトレンド
今回私がブースを訪れた点字ディスプレイ関連製品を扱っている出展者は、ドイツのBAUM、やはりドイツのHandy Tech、韓国のHIMS (これらはいずれもアメリカの法人や代理店)、フランスのEuroBraille、アメリカのHumanWare、同じくアメリカのFreedom Scientificなどです。他に、日本の日本テレソフトも出展していましたが、時間の都合などでブースを訪れることはできませんでした。
これら各社が出展していた製品を見ると、最近の点字ディスプレイ製品は、以下の3種類に分類することができそうです。
- PC、Macintosh、iOS、Androidなどの機器と接続して使うための製品
- 簡易点字PDA
- 高機能点字PDA
まず、他の機器と接続して使うための製品ですが、ほとんどの製品に6点入力のためのキーが搭載されていて、PCなど、接続した機器に対する入力を行えるようになっていたのが印象的でした。また、これらの機器はいずれも、小型軽量化、そして低価格化が進んでいるのも印象的でした。 (低価格化が進んだ、といってもまだまだ高価なのですが......。)
また、iPhoneやAndroid携帯電話と接続して使うことを前提にした、セル数が少なく、非常に小型の製品もいくつか見られました。
次に、点字PDAについてです。点字PDAとは、私の連載の第35回でも紹介しましたが、スタンド・アローンで動作する、ワープロ機能、スケジュール管理などの機能を持った製品で、点字での入力が可能な製品群です。私の連載第36回でも紹介したように、点字ディスプレイを搭載していない点字PDAと点字ディスプレイを搭載している点字PDAがありますが、今回見たのはいずれも点字ディスプレイを搭載している製品でした。なお、これら点字PDAも、PCなどと接続して点字ディスプレイとして使うこともできるのが普通です。
「簡易」と「高機能」というのは、私が勝手に作った分類です。簡易点字PDAは、ネットワークへの接続機能を持たず、機能的にもシンプルな製品です。とはいっても、比較的多機能なワープロ機能やスケジュール管理機能、電卓などを備えています。日本で発売されている製品でいえば、KGSのブレイルメモ・シリーズがこれに当たります。
一方、高機能点字PDAとは、ネットワーク機能を搭載していて、電子メールの送受信、Webの閲覧などが可能な製品です。日本で発売されている製品でいえば、エクストラが販売しているHIMSのブレイルセンス・シリーズがこれに当たります。
いずれの種類の点字PDAも着実に進化している印象ですが、簡易点字PDAの選択肢が思いの外多かったのが印象的でした。
ちなみに、点字ディスプレイ製品の価格を見てみると、上述の1〜3の順、すなわち、他の機器と接続して使う製品、簡易点字PDA、高機能点字PDAの順に高くなっていくような感じです。
特に印象に残った点字ディスプレイ製品
短い時間の中で、かなりの数の点字ディスプレイ製品を見て回ったのですが、特に印象に残った2製品について紹介します。
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