こんにちは!
「AccSellメールマガジン」第11号が発行されました!
第11号の内容は
- [連載] 中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第11回:コンピューターを使った点字文書の作成
- [連載]辻 勝利の「Life with 支援技術」
- 第7回:よい子はまねしないでね!
- [不定期連載]伊敷政英の「Letter From Misty World」
- 第1回:ロービジョンとウェブ
の3本です!
今回は植木さんの「JIS X 8341-3:2010 『逆引き』徹底解説」はお休みですが、伊敷政英さんの不定期連載がスタートしました!
連載記念で今回は伊敷さんのコラムをチラ見せします◎
[不定期連載]伊敷政英の「Letter From Misty World」
第1回: ロービジョンとウェブみなさんはじめまして。伊敷政英と申します。
今回、AccSellへ不定期連載という形で寄稿させていただくことになりました。本連載では、普段語られることの少ない、また個人差が激しくつかみどころのないロービジョンについて、お話したいと思います。
●「視覚障害者=全盲」ではない!
皆さんは「ロービジョン」という言葉をご存知でしょうか?
ロービジョンとは、「メガネやコンタクトレンズで矯正しても十分な視力が得られず、生活や学習、仕事で不便を感じる状態」を指す言葉です。長い間「弱視」と呼ばれていましたが、医学的な弱視と区別するために「ロービジョン」という言葉を使っています。視覚障害の1種です。
「あー、それなら私も裸眼だと0.1ないのよ。」
なんて思ったあなた。でも矯正視力は0.8とかあるんじゃないですか? そういう場合はロービジョンとは言いません。
「え? ロービジョンは視覚障害なの? でもまったく見えないわけじゃないんでしょ? それでも障害なの?」
そうです。「視覚障害者=全盲、つまりまったく目が見えない人」というのは大きな誤解です。
実は、日本にはロービジョンの人がたくさんいます。「平成18年身体障害児・者実態調査(厚生労働省)」によると、視覚障害者31万人のうち、6割強にあたるおよそ19万人がロービジョンとされています(障害等級のうち全盲を表す1級以外の人の数を合計したものです。1級でロービジョンの方もいますので、一番少なく見積もって19万人ということになります)。
また、日本眼科医会の調査によると、「よい方の矯正視力が0.1以上0.5以下」の人は144万9千人、「よい方の矯正視力が0.1以下」の人は18万8千人となっています。
私自身、ロービジョンです。現在の視力は矯正して0.03。どんなに分厚いメガネをかけても、どんな最先端のコンタクトレンズを入れても、視力はこれ以上上がりません。ですので、普段外を歩くときは全盲の人と同じように白杖(はくじょう)を使います。●ロービジョンの人の見え方
ロービジョンの人の見え方は実にさまざまです。まさに十人十色。また一人のロービジョン者でも、天気や体調、照明の明るさや位置などによっても見え方は変わってきます。でも単に「人によって違う」とだけ言われても困ってしまうと思いますので、代表的な見え方をご紹介します。
- ぼやける
- 全体的にぼやっとして見える。物の輪郭や境界線がはっきりしない。私自身、このような見え方をしています。ちょっとした段差が見えなかったり、電柱の影を溝と見間違えたりします。街などで友人や芸能人がいても気づかずに素通りしてしまうことが多いです。
- まぶしい・暗い
- 夏の晴れた日のようにまぶしいのが苦手、あるいは夜道やガード下のように暗いのが苦手という状態です。私も、夏の晴れた日はまぶしすぎて苦手です。でもサングラスをかけると、今度は必要な光までさえぎられてしまってかえって見えづらくなります。帽子をかぶってそのつばで太陽を何とか隠す、という苦肉の策をとることもあります。
- 視野狭窄(しやきょうさく)
- 物の見える範囲を視野といいます。視野狭窄はこの視野が狭い状態です。ストローや5円玉の穴からのぞいているような狭い範囲しか見えない人もいます。
- 中心暗点
- 視野のうち真ん中部分が見えない状態です。ドーナツの輪のような領域で物を見ていたり、もっとまだらな領域で見ている場合もあります。
●ロービジョン者のウェブ利用
ロービジョンの人は、自分が見やすい文字の
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