Mozillaは、Android版Firefoxの次期正式バージョンとなる最新ベータ版を10月11日に公開した。このベータ版では、Androidのスクリーン・リーダーTalkBackのサポートがついかされている。
TalkBackはAndroidのスクリーン・リーダーで、Android 4.0 (Ice Cream Sandwitch) でExplore by Touch (タッチガイド) と呼ばれるタッチスクリーンを操作するための機能が追加され、Android 4.1 (Jelly Bean) でタッチ操作のゼスチャーに関する機能拡張が行われている。このほど公開されたFirefoxのベータ版では、Jelly Beanで追加されたタッチ操作にも対応しているという。
また、Android版Firefoxでは、クイック・ナビゲーションと呼ばれるキーボードを使ったコンテンツ・ナビゲーション機能も提供されている。これは、端末に搭載されたキーボード、Bluetoothなどで接続されたキーボード、もしくはEyes-Free Keyboard* を使って、表示中のコンテンツの特定の要素にジャンプすることができるという機能だ。例えば、Kキーを押すことで次のリンクにジャンプすることができる他、見出し、リスト・アイテム、様々なフォーム・コントロールについても同様な操作ができるようになっている。
Windows環境では、多くのスクリーン・リーダーがクイック・ナビゲーションに相当する機能を提供しており、ブラウザーがこのような機能を提供している例は少ない。しかしAndroidのTalkBackにはこのような機能がないため、Firefoxがこの機能を提供しているということだ。
Firefoxのこれらの機能は、TalkBackが有効になっている端末では特に追加の設定をすることなく利用できる。また、TalkBackは多くの端末で標準搭載されており、搭載されていない端末であってもGoogle Play Storeからダウンロードしてインストール、利用できる場合が多い。設定、ユーザー補助の中に関連する設定がある。
なお、Firefoxの次期正式バージョンは11月20日に公開の予定だ。
注
* Eyes-Free Keyboard: Googleが提供しているTalkBackユーザー向けのオンスクリーン・キーボード。
関連リンク
- MozillaによるAndroid版Firefoxベータ版に関する発表 (英語)
- 同発表のMozilla Japanによる日本語抄訳
- Firefoxのアクセシビリティー関連機能の紹介 (英語)
- Firefox Beta (Google Play)
- Eyes-Free Keyboard (Google Play)
参考: 日本語環境でのTalkBackの利用
TalkBackは日本語環境にも対応している。ただし、Ice Cream Sandwitchでは日本語音声合成エンジンが搭載されていないため、何らかの日本語音声合成エンジンをインストールする必要がある。 (Jelly Beanについては未確認。)
Androidにインストールできる日本語音声合成エンジンとしては、以下のようなものがある。