こんにちは!2016年10月12日(水)にAccSellメール・マガジン第99号を発行しました!
- [連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第95回: iOS VoiceOverのテキスト・ラベル付加機能
- [寄稿]アクセシビリティをもっと楽しく
- 株式会社ビジネス・アーキテクツ 太田 良典
[連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
第95回: iOS VoiceOverのテキスト・ラベル付加機能これまで数回にわたって、iOS VoiceOverのいろいろな機能を紹介してきました。これまで紹介したのは、主に出力を確認するための機能と、入力を可能にするための機能でした。今回は、画像にテキスト・ラベルを付ける機能を紹介しつつ、サード・パーティー製のアプリケーションについて考えます。
サード・パーティー製のアプリケーションとVoiceOver
これまで紹介したiOS VoiceOverの機能を使えば、iOSに標準で搭載されているアプリケーションについては、全盲のユーザーも基本的に問題なく使うことができます。
また、サード・パーティー製のアプリケーションについても、問題なく利用できるものが少なくありません。とはいえ、VoiceOverユーザーが利用できるサード・パーティー製のアプリケーションのすべてがアクセシビリティーを考慮して作られているかというと、必ずしもそんなことはありません。正確なところは分かりませんが、アクセシビリティーをしっかりと意識して作られているサード・パーティー製のアプリケーションは、全体から見ればかなり少ない数なのではないかと思います。
アクセシビリティーを意識して作られているアプリケーションが問題なく使えるのは言うまでもないことですが、そうでないアプリケーションであっても、iOSの標準コンポーネントのみから構成されているなど、シンプルな作りのものであれば、問題なく使えることがしばしばです。つまり、VoiceOverユーザーが本当に全く歯が立たないというようなアプリケーションは、アクセシビリティーを意識せずに作られている、独自またはサード・パーティー製のコンポーネントを多く活用しているアプリケーションです。
標準的ではないコンポーネントが用いられているアプリケーション
こういった、全く歯が立たないようなアプリケーションであっても、どうにもならないのは特定の画面だけだったり、特定の画面の特定のボタンをVoiceOverが認識できないだけだったりする場合もあります。こういった場合、問題の画面の構成を理解した上で、一時的にVoiceOverをオフにして、目的のボタンがありそうな位置に触れてみる、といった方法で突破できる場合もありますが、基本的にはアプリケーション開発者の意識が変わってくれることを願いつつフィードバックを送るくらいしかできることはありません。
ちなみに、こういった場合に画面構成を理解する方法ですが、晴眼者に見て教えてもらうという、いわば古典的な方法が最も確実です。が、たまたま身近にそういうことを頼めるような人がいない場合には、その画面のスクリーン・ショットを撮って、その画像をOCRアプリケーションに認識させ、その結果を確認するという少々回りくどい方法で切り抜けられる場合も (時々) あります。
標準的なコンポーネントで構成されているアプリケーション
一方、アクセシビリティーは意識されていないものの、標準的なコンポーネントを使って作られているアプリケーションの場合、状況はかなりましです。本当にシンプルで、かつテキスト中心のアプリケーションだと、全く問題なく使えることもあります。ただ実際には、そのような全く問題のないアプリケーションばかりではありません。
よくある問題としては、以下の2つを上げることができます:
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