こんにちは!2016年9月28日(水)にAccSellメール・マガジン第98号を発行しました!
- [連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
- 第53回:Dos and don'ts on designing for accessibility
- [不定期連載]辻 勝利の「Life with 支援技術 Returns」
- オーディオゲームの進め
[連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
第53回:Dos and don'ts on designing for accessibility「Do」と「Don't」
「Dos」と「Don'ts」、日本語で言うと「べし」と「べからず」とか、「やるべきこと」と「やってはいけないこと」とか、「良い例」と「悪い例」という感じでしょうか。
イギリス政府のWebサイトなどを担当する「政府デジタルサービス」という部署のブログで、この「べし・べからず集」が公開されました。イラストの入ったポスターとしてまとめられていて、アクセシビリティを確保、向上するための一般的なデザイン・ガイドラインになっています。
公開されたのは、次の6つのユーザーグループを想定したガイドラインのポスターです。
- ロービジョン
- 聴覚障害
- ディスレクシア
- 運動障害
- 自閉症スペクトラム
- スクリーンリーダー利用者
ポスターはGitHubで入手可能です。今回は、この6つのポスターに書かれているガイドラインを一緒に見ていきましょう。とりあえず、一気に日本語に訳してみます。強引に意訳しているところもあるので、微妙なニュアンスはポスターの英文から直接感じとってください(苦笑)
自閉症スペクトラムの利用者のためのデザイン(ポスター画像)
やるべし
- シンプルな色使いにする
- 平易な言葉遣いにする
- シンプルな文章にして、箇条書きを使う
- 意味の分かるボタンにする、例えば「ファイルを添付」
- シンプルで一貫性のあるレイアウトにする
やるべからず
- 鮮やかなコントラストの色を使う
- 言葉の「あや」や慣用句を用いる
- テキストを壁のように羅列する
- ボタンを曖昧で予測不可能にする、例えば「ここをクリック」
- 複雑かつ乱雑なレイアウトにする
スクリーンリーダー利用者のためのデザイン(ポスター画像)
やるべし
- 画像には代替テキスト、動画にはトランスクリプト(テキストに書き起こした代替コンテンツ)を提供する
- 意味が通じる順序で、ロジカルなレイアウトにする
- HTML5を使ってコンテンツを構造化する
- キーボードだけでも操作できるようにする
- 意味の分かるリンクや見出しにする、例えば「お問い合わせ」
やるべからず
- 情報を画像や動画だけで提示する
- コンテンツをページ中に散らばす
- 構造を文字サイズや配置だけで示す
- マウス操作や画面を見ることを前提にする
- 意味不明なリンクや見出しにする、例えば「ここをクリック」
ロービジョンの利用者のためのデザイン(ポスター画像)
やるべし
- 十分なコントラストと読みやすい文字サイズにする
- 全ての情報をHTMLのWebページで提供する
- 色、カタチ、文字を組み合わせる
- 意味が通じる順序で、ロジカルなレイアウトにする。そして、文字サイズを200%にしたときも閲覧できるようにする
- ボタンや通知を閲覧の流れの中に置く
やるべからず
- 弱いコントラストと小さい文字サイズにする
- 情報をダウンロードさせる
- 色だけを使って意味を伝える
- コンテンツをページ中に散らばす。そして、文字サイズを200%にしたときに横スクロールを強いる
- アクションを閲覧の流れと分断する
運動障害の利用者のためのデザイン(ポスター画像)
やるべし
- クリック可能領域を大きくする
- フォーム・コントロール間のスペースを空ける
- キーボード操作や音声認識での操作に対応する
- モバイルやタッチスクリーンに対応する
- ショートカットキーを提供する
やるべからず
- 細かな操作を要求する
- フォーム・コントロールをぎゅっとまとめる
- マウス操作を多く要求する動的なコンテンツにする
- 短い制限時間を設ける
- 入力やスクロールを多く強いる
聴覚障害の利用者のためのデザイン(ポスター画像)
やるべし
- 平易な言葉遣いにする
- 動画には字幕やトランスクリプトを提供する
- 意味が通じる順序で、ロジカルなレイアウトにする
- コンテンツを小見出しや画像、動画で小分けにする
- 手話通訳を利用できるようにする
やるべからず
- 難解な文言や言葉の「あや」を使う
- コンテンツを音声や動画だけで伝える
- レイアウトやメニューを複雑にする
- 長い文章を読ませる
- 連絡手段が電話しかない
ディスレクシアの利用者のためのデザイン(ポスター画像)
やるべし
- 文字だけでなく、画像やダイアグラムを使う
- 文字を左寄せにして、一貫性のあるレイアウトにする
- コンテンツを他のフォーマットでも提供する(例えば、音声版や動画版)
- コンテンツを短く、明解で、シンプルにする
- 背景色とい文字色のコントラストを変更できるようにする
やるべからず
- 大量の文字を敷き詰める
- 下線を引く、イタリックにする、大文字だけで書く
- 前のページの内容を覚えさせる
- 正確なスペリングを要求する
- 1か所に情報を詰め込み過ぎる
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