メルマガ第89号を発行しました!

こんにちは!2016年5月11日(水)にAccSellメール・マガジン第89号を発行しました!

[連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
第86回: Googleの各種Webアプリケーション
[連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
第45回: JIS X 8341-3:2016 関連ガイドライン
[連載]山本和泉の「解説放送レビュー:観たり聞いたり歌ったり」
第8番組目: フジテレビ『ちびまる子ちゃん』2016年5月8日放送分から

[連載]中根雅文の「全盲のコンピュータ利用に関する四方山話」
第86回: Googleの各種Webアプリケーション

前回触れたように、昨年の春頃Googleの各種Webアプリケーション、具体的にはGoogle Drive、Google Docs、Google Sheets、Googles Slidesが、スクリーン・リーダーでも使えそうな状況になっていることを知りました。それよりずっと前からそうなっていたのか、その頃そうなって、それでデモ動画が公開されたのかはよく分かりません。ただ、登場当初に試して、僕の環境ではほとんど使い物にならないという印象だったこれらのWebアプリケーションが、少なくとも基本機能に関しては充分に使えそうなレベルになっていたのです。

今回は、これらのWebアプリケーションを使う上で知っておくべきことや、実際に僕が使ってみた印象などを紹介します。

必要な環境

さて、GoogleのこれらのWebアプリケーション、どんなスクリーン・リーダーとブラウザーの組み合わせでも使えるわけではありません。前回も触れたように、これらのWebアプリケーションはWAI-ARIAを活用しているため、WAI-ARIAに対応している環境が必要だからです。

まず、スクリーン・リーダーについては前回もお話ししたように、NVDAが1歩先を行っている印象です。しかし、JAWSなど他のスクリーン・リーダーでも徐々に対応が進められているようです。ちなみに国産のスクリーン・リーダーについては、僕自身が日常的に使っているわけではないので正確なところは分かりませんが、WAI-ARIAサポートに関しては大分出遅れているというのが個人的な印象です。とはいえ、徐々に対応が進められているものと思います。

また、Windows以外でも、iOSのVoiceOverやAndroidのTalkBackもWAI-ARIAへの対応を進めているようです。ただ、これらのモバイル環境においては、ブラウザーではなく専用のアプリケーションでGoogleが提供するこれらのサービスを利用することの方が多いでしょうし、現実問題としてその方が便利でしょうから、今回の話に限っていえば、これらのプラットフォームの状況を気にする必要はないでしょう。ちなみに、Googleが提供するこれらのモバイルアプリケーションですが、アクセシビリティーについても考慮して作られているようで、ちょっと使ってみた感じでは、結構使えそうな印象を受けました。

一方、ブラウザーのWAI-ARIA対応状況ですが、これについては各ブラウザーで頻繁に繰り返されるバージョンアップの中で日々状況が変化しているものと思われます。ですので正確なところは分からないのですが、よく聞く評判としては、Mozilla FirefoxとGoogle Chromeが同様に健闘していて、Microsoft Internet Explorerが出遅れているというものです。その一方で、MicrosoftのEdgeはそこそこがんばっているようだという話を耳にしたこともあります。最近のブラウザーのバージョンアップ頻度の高さ、そしてW3CではWAI-ARIAの策定作業が続いていることなどを考慮すると、ブラウザーのWAI-ARIA対応についてはしばらくは目が離せない状況が続くのではないかと思います。

で結局どの環境を使えば良いのか、ということですが、おそらく現状ではNVDAとFirefoxの組み合わせが最善だと思います。ブラウザーの対応状況だけを考えるとChromeでもかまわないとも思いますが、NVDAとの相性という点などで、おそらくFirefoxの方が良いだろうと現時点では思います。

ちなみにモバイル環境でWAI-ARIAを活用する場合ですが、iOSに関してはどのブラウザーを使ってもレンダリング・エンジンが同じですから結果に差は出ないはずです。一方Androidに関しては、使っているブラウザーやそのバージョン次第というところがありますが、FirefoxもChromeも最近のバージョンではそれなりにWAI-ARIAをサポートしているようです。 (AndroidにはTalkBack以外にもスクリーン・リーダーの選択肢がありますが、残念ながらこれらのスクリーン・リーダーの状況については把握していません。)

スクリーン・リーダー・モード

長々と書きましたが、とにかくFirefoxとNVDAをまず準備します。そしてその環境から、まずはGoogle Docsにアクセスすれば問題なく使えるかと思いきや、ここでスクリーン・リーダー・モードを有効にする必要があります。

つづきはメルマガで……。

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