こんにちは!2015年11月11日(水)にAccSellメール・マガジン第77号を発行しました!
- [イベントレポート]
- 視覚障害者向け総合イベント サイトワールド2015 (前編)
- [連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
- 第35回: シニア層をガッチリつかむECサイト構築術 「SFO」のススメ
[イベントレポート] 視覚障害者向け総合イベント サイトワールド2015 (前編)
今回と次回は予定を変更して、去る11月1日から3日にかけて開催された、視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド2015」のレポートをお前後編に分けて送りします。
サイトワールド2015とは
サイトワールドは、毎年11月1日から3日の3日間、東京の錦糸町で「視覚障害者向け総合イベント」と銘打って開催されるイベントです。毎年、40前後の出展者による展示会と、視覚障害に関連する様々なセミナーや体験会などが行われ、7千人近くが来場する、視覚障害関連では国内最大級のこのイベントも、今年で10回目を数えます。
AccSellでは、一昨年開催されたサイトワールド2013から、毎年IT関連、家電関連の出展者を中心にインタビューをさせていただき、その模様をポッドキャストで配信しています。
今年も、合計14のブースの16社の方にインタビューをさせていただきました。この模様は、インタビューに応じてくださった皆さんの確認が取れ次第順次配信しますが、このメール・マガジンでは、配信に先駆けて、僕が特に印象に残ったものを中心に紹介します。ポッドキャストの予告編としてお読みください。
ちなみに、この11月1日というのは、「点字の日」です。1890年の11月1日に日本の点字が制定された記念日です。おそらくこのイベントが毎年この日に始まるのも、その絡みではないかと思います。
今回の取材対象
今回取材に応じてくださったのは、以下の出展者の皆さんです。
- ㈱アメディア -- IT関連を中心とした、視覚障害者向けの機器やソフトウェアの開発、販売
- ㈱ インサイト -- 拡大読書機の販売
- ㈲エクストラ -- 点字PDA ブレイルセンス、Windows向けスクリーン・リーダー JAWS for Windowsなどの販売
- ㈱ NTTドコモ -- らくらくホンシリーズの各製品とiOS向けの文字入力アプリケーション Move & Flickを展示
- 欧文印刷㈱ -- 新たな点字印刷の仕組みを用いて作成されたカレンダーや触図などを展示。同社のブースで、㈱アーチャレジー (白黒反転手帳 TONE REVERSAL DIARYを販売) と、Cocktailz (ロービジョンの子供向けノート KIMINOTEを販売) も出展。
- オリンパス㈱ -- 音声操作ガイド付ICレコーダーを展示
- KGS ㈱ -- 点字PDA ブレイルメモスマートなどを展示
- ㈲ サイパック -- iOSおよびAndroid向けのDAISY書籍再生アプリケーション Voice of DAISYの開発
- ㈱ジェイ・ティー・アール -- 点字プリンターの開発、販売
- ソフトバンク㈱ -- iOS VoiceOverの使い方を学習するためのアプリケーション「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」を展示
- ㈱タイムズコーポレーション -- 拡大読書機を中心とした視覚障害者向け機器の販売
- 新潟大学 工学部 福祉人間工学科 -- 地図、星図、グラフなどの触図作成システム、3Dプリンターを用いて作成された視覚障害者向けの建築模型、漢字の構成を調べられるWebシステムなどを展示
- パナソニック㈱ -- 音声操作ガイド付のICレコーダー、テレビ、Blu-Rayレコーダー、IHクッキング・ヒーター、ファクシミリなどを展示
- ㈱ ラビット -- IT関連を中心とした、視覚障害者向けの機器やソフトウェアの開発、販売
拡大読書機を巡る動向
拡大読書機とは、ロービジョンの視覚障害者が使う機器で、その名のとおり、文字を拡大表示することで読みやすくするためのものです。大ざっぱに分類すると、卓上に固定して使う据え置き型のものと、タブレット端末やスマートフォンのようなけいじょうので持ち運びが可能な携帯型 (しばしば「電子ルーペ」とも呼ばれます) のものがあります。
一昨年初めてサイトワールドを取材する時まで、実は僕は拡大読書機には全くと言って良いほど興味を持っていませんでした。全盲の僕自身は使ったことも、そしてこれから使うこともない製品ですから、当然といえば当然なのですが......。
ところが、一昨年、そして昨年と続けて取材してみて、この分野は毎年のように進化していて、非常に興味深い分野であることが分かりました。
拡大読書機の進化には、以下のような要因があるようです。
- ハードウェアの形状などの工夫による使い勝手の改善
- カメラやモニターの高機能化による表示の改善
- 画像処理技術やプロセッシング・パワーの向上による表示の改善
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