こんにちは!2015年10月28日(水)にAccSellメール・マガジン第76号を発行しました!
- [連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第75回: 音声出力と点字出力
- [連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
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[連載]中根雅文の「全盲のコンピュータ利用に関する四方山話」
第75回: 音声出力と点字出力連載第72回から第74回にかけて、JAWS for Windowsの点字出力機能について紹介しました。この中で触れたように、JAWSでは点字出力の特性を考慮して、様々な設定ができるようになっています。
前回説明したように、点字出力には音声出力と違った長所がありますが、その一方で短所も存在します。
今回は、音声出力と点字出力の特性を改めて確認し、その使い分けなどについて説明します。
音声出力と点字出力の特性
音声出力と点字出力を比較すると、様々な違いがありますが、僕が特に重要だと思う点について、まず以下にまとめておきます。なお、これだけ見ると一見音声出力の方が有利なようにも思えるかもしれませんが、決してそうではありません。ぜひ最後までお読みください。
音声出力と点字出力の特性 音声出力 点字出力 情報取得 受動的 能動的 揮発性 高い 低め 速度 早い 遅め 正確さ 低くなり得る 高い 効率 高め 低め 以下、それぞれについて詳しく見ていきます。
受動的か能動的か
まず理解しておくべき点は、音声出力を用いた情報取得は受動的であるのに対して、点字出力を用いた情報取得は能動的であるという点です。つまり、音声出力はただなんとなく聴いていても耳に入ってくるのに対して、点字出力は意志を持って手を動かさないかぎり、情報が取得できません。
そのため、たとえば唐突に表れて数秒後に消えてしまうツールチップのような情報は、音声出力を使っている場合にはそれほど意識していなくてもその存在に気づくことができますが、点字出力を使っている場合は、その情報が表示されたことにすら気づかないということが充分に考えられます。
また、この違いは、後述する速度や効率、正確さにも大きく影響します。
揮発性
連載第6回や第8回でも少し触れましたが、音声出力というのは、ある情報が読み上げられたその時にちゃんと聴いていてそれを (理解するかどうかは別として) 頭に入れないかぎり、出力されなかったのと同じ状況になってしまいます。この音声出力の特性を、僕は「音声出力の揮発性」と呼んでいます。 (僕が勝手にそう呼んでいるだけで、一般的に通じる表現ではありません。)
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