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こんにちは!2015年7月8日(水)にAccSellメール・マガジン第69号を発行しました!

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第27回: iOSのアクセシビリティを知ろう!

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手軽にWebコンテンツのアクセシビリティをチェックする方法

さて、今回はiOSに標準で搭載されているアクセシビリティ機能を紹介している記事を見つけてきました。

iOSといえば、スクリーンリーダーの「VoiceOver」が標準搭載されているということで、ワタクシもセミナーなどでは必ずと言ってよいほど、よくご紹介しています。しかし、iOSには、それ以外にもさまざまなアクセシビリティ機能が搭載されているのです。

そこで、皆さんとシェアしたいのが、こちらの記事。

ということで、VoiceOver設定編と応用編の2回に分かれていますが、一気にまとめてお届けします。

Apple CEOのティム・クック氏が珍しく声を荒らげ...

さて、ではまずVoiceOver設定編から一緒に見ていきましょう!

2014年の株主総会で株主から「もっと利益に注力すべきだ」と言われた際、Apple CEOのティム・クック氏が珍しく声を荒らげ、「視覚障がい者向けの機能を開発する際、私はROI(投資利益率)なんてくだらないことは考えない。もし利益にのみ注力しろと言うのならうちの株は買うな」と答えたことは有名です。実際iPhone/iPadのアクセシビリティは他社製品に比べ抜きん出ており、多くの障がい者がApple製品を愛用しています。

はい、これは知る人ぞ知るエピソードですよね。アクセシビリティについて、「もし利益にのみ注力しろと言うのならうちの株は買うな」とまで言える大手企業の経営者は、なかなかいないのではないでしょうか。これからどんどん増えてきてほしいですね。

それはそうと、あれはもう7~8年くらい前だったでしょうか。毎年3月にアメリカで開催される「CSUN」というアクセシビリティの国際カンファレンスで、初めてVoiceOverを操作した時のことを思い出します。

あのときは、iPhoneではなく、Mac OSでしたが、その操作感がとてもナチュラルというか、うまく言葉にできないんですが、「あ、この瞬間がアップルかも?」という一昔前のクルマのCMみたいな気持ちになったのを覚えています。といっても、ワタクシはアップル製品ユーザーではないので、何がアップルなのかも分かっていませんでしたが(汗)

ともかく、CEOのティム・クック氏が声を荒げるほどのこのアップルの意気込み、一度じっくりお話を聴いてみたいですね。

記事では、アップルなどが提供しているマニュアル類へのリンクが提供されています。あわせて、参照するとよいでしょう。

そして、ソフトバンクモバイルでは、視覚障がい者向け使い方教室 for iPhoneなんていうアプリも出しているんですね。

VoiceOver設定編:まずは使ってみよう!

まず、「設定は「ショートカット」から行うのが吉」という見出しがあるように、「ショートカット」での設定方法を説明しています。

このショートカットとは、ホームボタンを3回押ししたときの挙動になります。今回はVoiceOverを試したいので、こちらにチェックを入れましょう。その他の項目は任意ですが、簡単に試せますので全部チェックしてもらっても構いません。

「ショートカット」では、複数の機能を設定できるようですが、ワタクシのiPhoneはVoiceOverのみを設定していますので、ホームボタンを3回押すとVoiceOverが起動するようになっています。オフにするときも同じくホームボタンを3回押します。

この記事にあるように、複数の機能を設定した場合は...

有効な設定にチェックが入っていますので、オフにしたい項目(ここではVoiceOver)をタップして選択した後、ダブルタップしましょう。タップで選択してから、ダブルタップです。大事なことなので2回、言いました。VoiceOverのチェックを外すと「VoiceOverオフ」としゃべり、通常の操作方法に戻ります。

はい、大事なことです。特に初めてVoiceOverを操作する際は要注意です。そして、Siriで起動させることもできます。

ホームボタン長押しでSiriを呼び出し、「ボイスオーバーオン」「ボイスオーバーオフ」で設定変更できます。Siri経由のほうが簡単ですが、ホームボタン経由のほうがより確実ですので両方覚えておくと良いでしょう。

では、次のページです。

VoiceOver設定編:特殊な操作方法

「特殊な操作方法」とありますが、そんなに特殊でもないと思います。

VoiceOverがオンの状態でホーム画面を見ると、アイコンに枠が付いているのが確認できると思います。VoiceOver有効時には、「選択、そして実行」という2ステップになると考えてください。

はい、このポイントをまず押さえましょう。そして、このページで紹介されている基本的な操作は以下の通りです。

  • 右にスワイプで次のアイテムに移動
  • 左にスワイプで前のアイテムに移動
  • 目的のアイテムを選択したら、ダブルタップで実行

この左右スワイプやダブルタップは画面上のどこでも構いません。画面全体が一つのトラックパッドと考えると良いでしょう。

これらの基本操作は一本指でできるので、慣れてしまえばどうってことはありません。問題はここから先です。次のような2本指、3本指の操作も覚えておきたいところですね。

  • 2本指で下から上にスワイプで、全ての項目を読み上げ
  • 2本指で上から下にスワイプすると、現在の項目から先だけを読み上げ
  • 読み上げを停止したいときは2本指でタップ
  • ページを移動するには、3本指のスワイプ
    • ホーム画面上で3本指左スワイプをすると次のページに移動
    • Safariで3本指上スワイプを行うと、下にスクロール

さあて、このへんになってくると、少し練習と慣れが必要かもしれません。自分が制作したWebページをSafariで開いて、ちょっと練習してみるとよいでしょう。

「スクリーンカーテン」という機能があります。3本指の3回タップで切り替えです(VoiceOverと同時にズーム機能も有効にしている場合は4回タップ)。スクリーンカーテンを有効にすると画面が真っ暗になりますが、タッチパネルは生きていて、VoiceOverを使って操作が可能です。見えない人はこの状態で使っているんだというシミュレーションにもなりますので特に開発者の方には有効でしょう。

「スクリーンカーテン」を有効にすると、画面が見えない状態で音声だけを頼りにして操作することになる、というのがよいのです。これも是非ご自分のWebページで試してみてください。新しい発見が必ずあるはずです。

VoiceOver特有のジェスチャーは非常に多いのですが、中でもユニークなのは「ローター」でしょうか。2本指で、バーチャルつまみを4分の一回転するように、画面上に円を描きます。親指と人差し指でやるとやりやすいでしょう。認識されると以下のようなUIが表示されます。

この「ローター」でワタクシがよく使うのは、やはり「見出し」と「ランドマーク」でしょうか。h1~h6要素、そしてランドマークroleの重要性を再確認することができます。「ローダー」では、他にもいろいろな要素が選べるので、順番に試してみることをオススメします。

それでは、後半(iOSのアクセシビリティにはどんな用途があるの?――応用編)いってみよう!

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