こんにちは!2015年2月11日(水)にAccSellメール・マガジン第59号を発行しました!
- [連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第58回: モバイル元年
- [連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
- 第17回: 阪神エキサイトシリーズ
モバイル元年!阪神エキサイトシリーズ!なんだかいつも以上にアツい感じがします!(izuizu比)
[連載]中根雅文の「全盲のコンピュータ利用に関する四方山話」
第58回: モバイル元年1997年頃までの僕は、自宅と大学でインターネットを使えれば充分、というような生活をしていました。ですから今でいうところのモバイル環境などというものには、興味はあったものの、それほど必要性を感じていませんでした。ところが、1997年頃を境に、いろいろな事情でそうも言っていられなくなりました。今回は、僕にとってはモバイル元年ともいえる1997年頃の僕のモバイルPC環境について紹介します。
PCを持って旅行へ
前述の通り、1997年頃までの僕のインターネット利用は、自宅と大学の環境で充分に用が足りるものでした。たまに旅行に行くような場合も、出掛ける前にいろいろと情報を調べて、点字でメモを作って出掛けるような感じでしたから、モバイル環境の必要性はそれほど感じていませんでした。 (あったら便利だろうな、程度には思っていましたが。)
その状況が変わり始めたきっかけは、連載第53回でもちょっと触れた、6週間くらいの長期にわたる海外旅行でした。いくら暇な学生だったといっても、大学の友人やその他大学関係者とのやりとりはほとんどメールで行っていましたし、さすがにそれだけ長い旅行になると、旅の間に必要な連絡でメールを使った他、Webでなにかを調べたりする必要もあるだろうということで、それだけの長期間インターネットに全くアクセスできないというのはまずいだろうと考えたのです。そこで、僕は初めてPCを持って旅行に出ることにしました。
詳しくは連載第43回で紹介しましたが、この時僕が使うことにしたのは、モデムを内蔵していてDOS/Vが動作するラップトップにPC Card型の音声合成装置、40マスの点字ディスプレイというハードウェアでした。そして、各種フリーウェアを組み合わせて、DOS/V上でインターネットへの接続、メールの読み書き、telnetによるサーバーへのアクセスなどを実現しました。これだけではWebを使えなさそうに思えるかもしれませんが、Webを使うときはtelnetで大学のサーバーにアクセスして、そのサーバー上でテキスト・ベースのWebブラウザー、Lynxを使っていました。
この環境は、特に点字ディスプレイが重かったため、携帯性が高いものとはとてもいえませんでしたが、それでもこの旅行中は大いに役立ちました。この環境のおかげで、旅行中の訪問先の人とちゃんと連絡が取れましたし、旅行の後半の宿の確保もできました。そして、やはり連載第53回で紹介しましたが、僕がその後W3C/WAIの活動に関わるようになるきっかけとなったメールにもちゃんと対応できたのです。
ニーズの変化
こうしてこの環境で、僕はこの長い旅行を楽しんだわけですが、旅行から戻ってからW3C/WAIの活動に関わるようになって、ちょっとこの環境では心許ないと感じるようになりました。
つづきはメルマガで……。