メルマガ第22号を発行しました!

こんにちは!
「AccSellメールマガジン」第22号が発行されました!

第22回の内容は

[連載] 中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
第22回:OCRと高品質英語合成音声
[連載] 植木 真の「JIS X 8341-3:2010 『逆引き』徹底解説」
第21回:JIS X 8341-3:2010 実践 <その13> 制限時間、動き・点滅・スクロール・自動更新

の2本です!

先日7月17日に行われたAccSell Meetup #002 が無事に終わりました!ご参加くださいましたみなさま、ありがとうございます!!

■「制限時間」に関連する達成基準

まず、「制限時間」に関するJIS X 8341-3:2010の達成基準を見てみましょう。

7.2.2.1 調整可能な制限時間に関する達成基準
コンテンツに制限時間を設定する場合は,次に挙げる事項のうち,少なくとも一つを満たさなければならない。
a) 解除 制限時間があるコンテンツを利用する前に,利用者がその制限時間を解除することができる。
b) 調整 制限時間があるコンテンツを利用する前に,利用者が,少なくともデフォルト設定の10 倍を超える,大幅な制限時間の調整をすることができる。
c) 延長 時間切れになる前に利用者に警告し,かつ,少なくとも20 秒間の猶予をもって,例えば“スペースキーを押す”などの簡単な操作によって,利用者が制限時間を少なくとも10 倍以上延長することができる。
d) リアルタイムの例外 リアルタイムのイベント(例えば,オークション)において制限時間が必す(須)の要素で,その制限時間に代わる手段が存在しない。
e) 必要不可欠の例外 制限時間が必要不可欠なもので,制限時間を延長することがコンテンツの動作を無効にすることになる。
f) 20 時間の例外 制限時間が20 時間よりも長い。

<引用元: JIS X 8341-3:2010「7 ウェブコンテンツに関する要件」より>

等級Aのこの達成基準は、ユーザーがウェブコンテンツを操作するのに十分な時間を可能なかぎり提供することを意図しています。『WCAG 2.0 解説書』では、次のような例を挙げています。

全盲、ロービジョン、巧緻性障害、及び、認知能力の低下している利用者は、コンテンツを読んだり、オンラインフォームに記入したりするような操作を実行するのに、より長い時間を必要とする場合もある。

<引用元: WCAG 2.0 解説書「調整可能な制限時間:達成基準 2.2.1 を理解する」より>

この達成基準は、制限時間を設定しているウェブページに適用されます。制限時間が設定されている場合、その制限時間内でユーザーが全ての操作を終えることができるかどうかはケースバイケースであり、これだけの時間があれば大丈夫ということはいえません。そのため、この達成基準では、設定されている制限時間をユーザーが解除できるか、10倍以上に調整または延長できるか、ということを要件としています。

ちなみに、この「a)解除」、「b)調整」そして「c)延長」は、そのabc順がそのままユーザーにとって好ましい順序になっています。まず「a)解除」であれば、ユーザーは制限時間の設定そのものをなくしてしまうことができます。次に「b)調整」は、制限時間のカウントが始まる前にユーザーはその長さを調整することができます。そして「c)延長」だけは制限時間のカウントが始まった後になるのですが、時間切れになる20秒以上前にアラートを出して、ユーザーが制限時間を延長できるようにするという具合です。

ウェブページに制限時間を設定する場合には、このいずれかの手段をユーザーに提供しなければなりません。ただし、この達成基準には例外事項が設けられています。それが「d) リアルタイムの例外」、「e) 必要不可欠の例外」そして「f) 20 時間の例外」の三つです。「d) リアルタイムの例外」には、オークションのようにリアルタイムで進行しているイベントなどが該当します。「e) 必要不可欠の例外」には、内容確認に数分間の制限時間を設定しているチケット購入サイトのように、ある一定の時間以上の猶予を与えるとサイト本来の機能が果たせなくなるようなケースが該当します。そして、「f) 20 時間の例外」ですが、これは実質的に制限時間があるとはいえないケースを想定してのものですが、20時間以上の長さの制限時間を設定しているケースはほとんど見たことがありませんし、ほとんど無意味な例外かもしれませんね。

つづきはメルマガで……。

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