こんにちは!
「AccSellメールマガジン」第16号が発行されました!
第16号の内容は
- [連載] 中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第16回:点字ディスプレイのハードウェア面の進化
- [連載] 植木 真の「JIS X 8341-3:2010 『逆引き』徹底解説」
- 第15回:JIS X 8341-3:2010 実践 <その7> 入力フォームのエラー
- [連載] 辻 勝利の「Life with 支援技術」
- 第10回(最終回):「ユニバーサルデザイン」は魔法の言葉
の3本です!
今回のチラ見せは中根さんの連載です。相変わらず点字ディスプレイの話が続いています。
[連載]中根雅文の「全盲のコンピュータ利用に関する四方山話」
第16回:点字ディスプレイのハードウェア面の進化前回までにお話ししたように、1990年頃の点字ディスプレイの利用環境は、英語環境と日本語環境で大きく違っていました。英語環境ではリアルタイムにPC-DOSの画面表示を点字化する点字スクリーン・リーダーが存在したのに対して、日本語環境にはそのような仕組みはまだ存在しませんでした。このような状況を改善するソフトウェア面での進歩もありましたが、その一方でハードウェア面でも点字ディスプレイは変化していた時期でした。今回は、1990年代前半の点字ディスプレイの進歩について、ハードウェア面を中心に紹介します。
点字ディスプレイのポータブル化
前回紹介したように、我が家には1992年から数年間にわたって、日本IBMからお借りしたNavigator 40という40セルの点字ディスプレイがありました。今となってはどういう理由からだったのかはよく覚えていないのですが、これに加えて、1993年頃に、もう1台、別の点字ディスプレイを入手しました。どこからお金を捻出したのか、これもよく覚えていないのですが、どうにかこうにか自分で購入したものです。
購入したのは、当時オランダにあったAlvaという会社が製産していたAlva Braille Terminal (ABT) というシリーズの、40セルのモデルのABT340という製品でした。
ABT340とNavigator 40には、いくつかハードウェア的に見て大きな違いがありました。まず最初に挙げられるのが、それなりにポータブル化が図られていた点です。
具体的には、まずそのサイズです。どちらも40セルの点字ディスプレイですから、横幅は大して変わりません。後述するステータス・セルがある分だけ、おそらくABT340の方が多少横幅が広かったと思います。
また、奥行きにも大きな違いはありませんでした。どちらの製品も、手前に点字セルが並んでいて、その奥にデスクトップPCのキーボードやA4サイズのノートパソコンを置いて使える程度の大きさの平らな部分がありました。ですので、底面積はほぼ同じだったのではないかと思います。
ただ、厚さ (高さ) ということならば、随分と小型化が図られた印象を受けました。Navigatorは、ちょっと大ぶりのノートパソコンよりも厚みがありましたが、ABT340はノートパソコン程度、比較する対象によってはそれよりも薄い厚みでした。
当時僕が使っていたノートパソコンを持ち歩くための鞄の場合、Navigator 40を入れてしまうともう他には何も入れられないという感じでしたが、ABT340の場合は、ノートパソコンと重ねて入れて一緒に入れて持ち歩くことができる、というくらいの差がありました。
もう一つの違いは、ABT340はバッテリーを内蔵していた点です。Navigator 40にも、別売りでバッテリーパックがあって......
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