こんにちは!2018年7月11日(水)にメール・マガジン第141号を発行しました!
- [連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第113回: 視覚障害者の外出 -- 外出を躊躇させる要因
- [不定期連載]植木 真の最近気になるキーワード
- 「カルーセル」の巻
[連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
第113回: 視覚障害者の外出 -- 外出を躊躇させる要因前回まで、結局ほぼ1年にわたって視覚障害者の読書に注目してあれこれ書いてきましたが、今回からは視覚障害者 (というよりは僕) の外出をテーマにお送りします。
外出と一口に言っても、日々の買い物、散歩、通勤や通学、出張、旅行など、いろいろな場合がありますが、今回はまず外出全般において、障壁となり得る要因についてまとめてみます。そしてもちろん、行った先でもいろいろな障壁があります。今回はまず、外出そのものの障壁についてまとめてみます。そしてその上で、そういった障壁、そして行った先でのいろいろな不便をICTがどのように解消しているのか/していないのか、ということを、次回以降順に見ていく予定です。
と、書き始めたのは良いのですが、実はこういうことについて僕自身、ちゃんと整理して考えたことがこれまであまりありませんでした。ということで、まずはICTを活用できなかった時台のことを思い出しながら、僕に外出が面倒だと感じさせていた要因について考えてみます。
外出を躊躇させる要因
ICTを活用できなかった時台も、そしてICTが活用できるようになった今でも、僕にとって外出を躊躇させる最も大きな要因は、目的地にたどり着けるかどうか確信が持てない、ということです。一言で言ってしまえば、これはすなわち目的地の場所を正確に知ることができるか、ということなのですが、他にもいくつか考えるべきことがあります。
一番手っ取り早い方法は、同じイベントに参加するとか、同じ洋犬があるとかそういう人を見つけて同行してもらう、という方法です。この方法の場合、目的地の最寄り駅とか、どこか都合の良い場所でその人と待ち合わせてもらえれば (ほぼ) 万事解決です。
「ほぼ」と書いたのは、実はその人も目的地への行き方をよく分かっていなかったり、その人が極度の方向音痴だったりする、ということが時々あるためなのですが、それでも僕が独りでなんとかしようとするよりはなんとかなることがほとんどですので、大きな問題はありません。
とはいえ、同行者を見つけることが困難な場合も少なからずあります。(僕のようにどちらかというと独りで行動することを好む人にとっては、同行者を見つけられることの方が希です。)そうすると、独力で目的地にたどり着けるかどうか、という問題になります。
実は障害者自立支援法には、「同行援護」という精度が規定されています。この精度は、視覚障害者が外出する際に、移動の支援や代筆や代読などのコミュニケーションの支援を受けられるもので、所得などにもよりますが、その利用料への助成もあります。同行援護のサービスを活用すれば、同行をお願いできる知人がいない場合でも、比較的自由に外出することは可能です。
ただ僕自身は同行援護を利用したことがありません。というのは、利用するための手続きが面倒 (らしい) というのが一番大きいのですが、他にも理由があります。
つづきはメルマガで……。