こんにちは!2017年10月11日(水)にAccSellメール・マガジン第123号を発行しました!
- [連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第105回: 視覚障害者と読書 (5)
- [寄稿]手軽に使える人工知能とアクセシビリティ、身体の外に目をもつ、ということ
- 羽山祥樹
[連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
第105回: 視覚障害者と読書 (5)今回は電子書籍について紹介しようと思っていたのですが、もう1つ、視覚障害者のアナログな読書について大事なことを書き忘れていたことに気づいたので、電子書籍については次回以降に回すことにして、今回はその「忘れ物」をやっつけておくことにします。
なにを忘れていたかというと、点字図書と録音図書の特徴について、平たく言えば「点字図書と録音図書、どっちが便利なの?」というしばしば尋ねられる質問への答えです。先に答えを書いておくと、「両方それぞれ便利」となるのですが、以下点字図書、録音図書のそれぞれの利点と難点を紹介しながら詳しくお話しします。
点字図書と録音図書、それぞれの特徴
あくまでも僕が思いつく範囲で、ということにはなりますが、まず点字図書と録音図書それぞれの利点と難点を列挙してみます。
点字図書の利点
- 紙の本の場合、読むために追加の機器が不要
- 自分のペースで読むことができる
- 斜め読みが容易
- ある程度レイアウトによる情報表現が可能
- 普段接することがない単語などを正確に読み取ることができる
- 図書製作者の解釈が入り込む余地が少ない
- 音楽を聴きながらの読書などが容易
- 騒音が多い場所でもその気になれば読書が可能
点字図書の難点
- 点字に習熟していないと読む速度が遅い
- 点字に習熟していても、録音図書に比べると読む速度が遅くなりがち
- 紙の本の場合かさばる
- 電子データの場合、決して安価ではない機器が必要
録音図書の利点
- 慣れればかなりの高速で読むことができる
- 他のことをしながらの読書が可能
- 点字図書に比べてかさばらない
録音図書の難点
- 自分のペースで読むことが難しい
- 図書製作者の解釈が入り込む余地がある
- レイアウトによる情報表現は基本的に不可能
- 斜め読みがあまり容易ではない
- 普段接することが少ない単語などを正確に、確信を持って聴き取ることが難しい場合がある
- 騒音が多い場所での読書が困難
以下、読書の速度、レイアウトによる情報表現、斜め読みについて詳しく見ていきます。 (その他の点については、前回までの内容でご想像いただけると思います。)
読書の速度
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