こんにちは!2017年2月8日(水)にAccSellメール・マガジン第107号を発行しました!
- [連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
- 第98回: Android TalkBack
- [寄稿]「アクセシビリティをポジティブにとらえる10の視点」(第4回)
- 伊原力也
[連載]中根雅文の「全盲のコンピューター利用に関する四方山話」
第98回: Android TalkBack連載第90回 (第93号掲載) から全回まで、iOSのスクリーン・リーダーであるiOS VoiceOverについて紹介してきました。今回は、Androidのスクリーン・リーダー事情について、iOSとの違いを中心に簡単に紹介します。
スクリーン・リーダーの位置づけ
スクリーン・リーダーについて考えるとき、まず大きな違いとして挙げるべきなのはスクリーン・リーダーの位置づけの違いだと思います。
iOSでは、VoiceOverが標準機能として搭載されていて、その他のスクリーン・リーダーは存在しません。
一方Androidでは、Googleが開発、提供するTalkBackというスクリーン・リーダーがありますが、これはOSの一部として提供されているわけではなく、いわば多数あるアプリケーションのうちの1つといった位置づけになっています。そして、その気になればGoogle以外の開発者が別のスクリーン・リーダーを開発、提供することも可能な仕組みになっています。
実際、現在僕が知る範囲でもShinePlusというスクリーン・リーダーがあります。また、TalkBackに対してハードウェアに適した修正を行って提供している端末メーカーもあるようです。
また、TalkBackはGitHubでソースが公開されているので、その気になれば自分のニーズに合わせたスクリーン・リーダーを開発することだってできないわけではありません。
一般にAndroidはiOSに比べていろいろな点で自由度が高いというのはよく言われることですが、スクリーン・リーダーに関しても例外ではないのです。結果として、スクリーン・リーダーの選択肢が提供されることにつながりますし、このことは歓迎すべきことだと感じています。
ただ、1つ問題もあります。というのは、TalkBackがシステムの一部というわけではないため、端末の開発メーカーや販売事業者によっては、TalkBackがプレインストールされていない状態で端末を提供する場合があるということです。この場合、端末を購入した視覚障害者は、晴眼者の力を借りてTalkBackをインストールしないとその端末を使えるようにはなりません。
以前は、携帯電話にしてもPCにしても、初期設定は視覚障害者が独力ではできないというのは当たり前のことでしたが、最近ではむしろそのような環境の方が少なくなってきています。Androidにしても、一切カスタマイズされていない場合には視覚障害者の独力による初期設定が可能です。
音声合成エンジンの位置づけ
Androidでは、音声合成エンジン (TTS) の位置づけもiOSとは異なっています。
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