スクリーン・リーダーとは

• 画面表示を見ることができないユーザーが、情報機器を使えるようにするための仕組み
• OSの一部として提供されている場合と、ユーザーが追加インストールするものがある
• 画面表示内容の音声化
• 画面表示内容の点字化
• 表示されていない情報も伝える

スクリーン・リーダーを利用できる環境

• Windows、Mac OS X、iOS、Androidには、日本語話者が実用的なレベルで利用できるスクリーン・リーダーがある
• 日本語のことを考えなければ、Unix系OS、その他のモバイル環境で使われているスクリーン・リーダーがある

Windows用スクリーン・リーダー

• Narrator (OSに標準搭載)
• NVDA
• PC-Talker
• FocusTalk
• JAWS for Windows

Windows以外の環境用スクリーン・リーダー

• Mac OS X: VoiceOver
• iOS: VoiceOver
• Android: TalkBack, Shine+

Windows用スクリーン・リーダーの利用状況 (1)

• 新潟大学渡辺研究室などによる2013年実施の調査結果が最新
  視覚障害者の携帯電話・スマートフォン・タブレット・パソコン利用状況調査2013
  http://hdl.handle.net/10191/27807

Windows用スクリーン・リーダーの利用状況 (2)

図3-6-3 スクリーンリーダソフトの利用者数
回答者数: 252
PC-Talker　1位189人　2位以降26人　(計85.3%)
JAWS　1位19人　2位以降27人　(計18.3%)
95Reader　1位14人　2位以降10人　(計9.5%)
FocusTalk　1位8人　2位以降14人　(計8.7%)
NVDA　1位7人　2位以降8人　(計6.0%)
VDM　1位10人　2位以降1人　(計4.4%)

ここ2年での変化

• 前記の調査以後、同種の調査は実施されていない
• 一方で、以下のような状況の変化があった:
  • Windows XPのサポート終了
  • よりリッチなWebアプリケーションの増加
• その結果、古いスクリーン・リーダーを使い続けられなくなったユーザーが少なからず存在する可能性が考えられる

NVDAの特徴

• 無料で気軽に利用できる
• JAWSと類似した点が多い操作体系
• 公式には対応していないアプリケーションであっても、利用できる場合が少なくない
• 新しい (特にWeb) 技術への対応が早い

NVDAの位置づけ

• 古いスクリーン・リーダーからの乗り換え先
• 新規ユーザーにも有力な選択肢になり得る
• 視覚障害当事者以外にも利用しやすいスクリーン・リーダー

ということで本日は

• NVDAのインストールや設定の基本
• Webに関連する部分を中心に、NVDAの使い方を徹底的に
• 全貌を理解するためには、「オブジェクト・ナビゲーション」の理解も必要だが、今回は割愛

本日の講師

• 西本 卓也さん
• NVDA日本語チーム代表
• 詳しくは後ほどポッドキャスト第75回をお聴きください:
  http://accsell.net/podcast/0075.html