メルマガ第96号を発行しました!

こんにちは!2016年8月24日(水)にメルマガ第96号を発行しました!

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第52回:閲覧支援機能とアクセシビリティ

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ヘッダーによくあるいろいろなボタンとかリンクとか...

Webページのアクセシビリティというのは、確保しているかどうかが見た目ではほとんど分からないというのが、しっかりと取り組んでいる人からするともどかしいというか、何というか。

で、まあ、省庁とか自治体なんかの公的機関のWebサイトでよく見かけるのが、いろいろなボタンとかリンク。ほとんどの場合、そういうのはヘッダーにあるので、イヤでも目に入ってくるわけですが、"アクセシビリティやってます感" を出すためではないかと思うこともしばしばあります。

そこで、今回はこちら。

こちらは、島根県の松江市に拠点を置く有限会社Willさんいんの「フロントエンドエンジニアのblog」でのエントリーです。

「文字サイズ:[小][中][大]」とか「背景色:[白][黒][青]」など

近年、主に自治体等のサイトで、文字サイズを拡大したり背景色を変更したりできる機能(以下、"閲覧支援機能"とします)を提供しているサイトをよく見かけます。よくWebページの上部にある、「文字サイズ:[小][中][大]」とか「背景色:[白][黒][青]」などとあるボタンです。読み上げ機能や漢字にルビを振る機能が提供されている場合もありますね。自治体サイト向けの CMS に標準で閲覧支援機能が付属しているものが多いからということもあるのでしょう。

自治体Webサイト向けのCMSにそういう機能が付属しているんですね。それは知りませんでした。なるほど、だから背景色変更ボタンって、自治体のWebサイトでよく見かけるのか。

文字サイズ変更ボタンは、企業のWebサイトでもよく見かけます。これは某Webサイトランキングの評価項目の1つに「文字サイズ変更ボタンの有無」があったとか、なかったとか、そんな話もありましたね。

ただ、このような機能を提供することは悪いことではないと思いますが、閲覧支援機能を提供することがアクセシビリティだと、勘違いされているケースがかなり多くあるように感じます。

これは、時折耳にする話ですね。自治体なんかの場合、市議会とかの議員さんが「隣の△△市のホームページにはこういうボタンがあるのに、なぜ我が○○市にはないんだ!」なんておっしゃることもあるんだとか。

こういうボタンがあると、"アクセシビリティやってます感"がにじみ出てきますが、勘違いしているとなると問題ですよね。

中には、Webサイトのアクセシビリティについて記載されているページに、閲覧支援機能を提供していることだけが、あたかもアクセシビリティに配慮していることをアピールしているかのように書かれているサイトも見受けられます。そのため、一般ユーザーまでもが、閲覧支援機能が提供されてないWebサイトは文字サイズを拡大したり背景色を変更したりすることができない、アクセシブルではないと判断してしまう懸念もあります。

ああ、そんなふうにアピールしてしまうのは、よろしくないですねぇ。もちろん、全く意味がないとは言いませんが、あくまでも補助的な機能にすぎません。

なるほど、一般ユーザーまでもが勘違いしてしまうことも、言われてみればありえる話ですね。文字サイズ変更ボタンって、むか~~~しのブラウザは目に見えるところにボタンがあったんですけど、アレ復活してくれないかなあと密かに期待しております。

ワタクシの記憶が確かならば、IE 3までは「文字サイズ変更」ボタンがあったんですよね。Netscapeとかは、ちょっと記憶がないんですが...。今のブラウザにはズーム機能が搭載されていますが、見た目にはその存在が分かりづらいですからね。

閲覧支援機能を提供することとアクセシビリティとは本来関係のないものだと思います。アクセシビリティ規格の JIS X 8341-3 や WCAG 2.0 にもそのような機能を提供することは一つも書かれていません。

いわゆるスキップリンクなんかもそうですが、本来はWebコンテンツ側で提供するものではなく、ブラウザ側で提供すべきものだと思います。日本をはじめ、世界中の国々で高齢化が進んでおり、また今後も高齢化はますます進んでいくことが明らかなわけで、特に文字サイズ変更機能とか、ズーム機能なんかは、ブラウザでしっかりと提供するとともに、分かりやすいUIでその存在を示してほしいところです。

本来、文字の大きさや背景色は、ユーザーが使用している OS やブラウザの設定によって自由に変更されるものです。ディスプレイの白い光を眩しく感じる弱視等の方は、最初から Windows のハイコントラスト設定で黒背景にして利用されてますし、小さな文字が読みにくい方は OS やブラウザの設定で解像度を低くしたり文字を大きくしたりして利用されてます。そのような様々な閲覧環境において、問題なくWebサイトが閲覧できて情報が伝わることが重要です。

文字サイズにしても、背景色にしても、何らかの設定を必要としている人は、あらかじめOSやブラウザでその設定にしていることが多いです。だからこそ、わざわざWebサイト側でそういう「閲覧支援機能」を提供する意味があまりないともいえます。

特に、ナビゲーションやメニューなどのボタン画像が背景画像として配置されているために、ハイコントラスト環境では見えなくなってしまうサイトが多々あります。サイト側で提供している背景色を変更する機能で黒背景にした時に問題なくても、OS のハイコントラスト設定で黒背景にした場合に必要な情報が見えなければ意味がありません。

ナビゲーションバーなんかでCSSの背景画像を使っているWebサイト、たしかに多いですね。Windowsのハイコントラスト表示では、全く表示されなくなってしまいます。Microsoft EdgeではCSSの背景画像も表示されるようになったようですが、CSSの背景画像である以上、代替テキストも提供されていないわけですから、アクセシビリティ的にはやはりあまりよろしくない気がしますね。

つづきはメルマガで……。

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