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[連載]植木 真の「こんなブログ記事見つけました!」
第36回: WCAG 2.0 Parsing Criterion is a PITA

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第36回: WCAG 2.0 Parsing Criterion is a PITA

「WCAG 2.0」の面倒くさい達成基準

今回は、WCAG 2.0 Parsing Criterion is a PITAというタイトルの記事を一緒に読んでいきたいと思います。

原文:

The WCAG 2.0 Parsing Criterion is a Pain In The Ass (PITA) because the checking of it throws up lots of potential errors that if required to fix, may result in a lot of extra work (in some cases busy work) for developers. This is largely due to the lack of robust tools for producing a set of specific issues that require fixing.

ざっくり日本語訳

「WCAG 2.0」の構文解析の達成基準は、非常に面倒くさい。なぜなら、その基準をチェックすると、もし修正しようとしたらデベロッパーに負担がかかってしまうような潜在的なエラーがたくさん出てくる。これは、修正を必要とする特定の問題だけを対象にした絶対的なツールがないことが大きな原因だ。

「WCAG 2.0」の構文解析の達成基準でピンと来たアナタは、なかなかのWCAG通かもしれません(笑)

4.1.1 構文解析: マークアップ言語を用いて実装されているコンテンツにおいては、要素には完全な開始タグ及び終了タグがあり、要素は仕様に準じて入れ子になっていて、要素には重複した属性がなく、どの ID も一意的である。ただし、仕様で認められているものを除く。 (レベル A)

この達成基準の要件は、HTMLのソースが次の4つのポイントを満たすことです。

  • 要素には完全な開始タグ及び終了タグがある。
  • 要素は仕様に準じて入れ子になっている。
  • 要素には重複した属性がない。
  • id属性値がユニークな値である。

いずれも仕様で認められている場合は除きますが、言い方を変えると、この4つのポイントを満たしていないと、ユーザーエージェントがHTMLソースを機械的に解釈できなくなってしまう恐れがあり、結果としてそのWebコンテンツのアクセシビリティを確保できなくなることにつながるというわけです。

しかし、いざHTMLソースをバリデータでチェックすると、その4つのポイントには関係のないエラーも含めて大量のエラーが発見されることもあります。そこが「面倒くさい」といわれる所以です。

IMPORTANT NOTE:

原文:

I am not saying here that checking and fixing HTML Conformance errors is not an important and useful part of web development process, only that fixing all HTML conformance errors is not a requirement for accessibility. There are good reasons to validate your HTML as part of the development process.

ざっくり日本語訳

私がここで言いたいのは、HTMLのエラーをチェックして修正することが、Web開発のプロセスにおいて重要ではないとか役に立たないということではなく、HTMLのエラー全部を修正することは、アクセシビリティを確保するための要件ではないということだ。開発プロセスの一部として、HTMLをバリデートする意義はいくつかある。

そういえば、かつてはHTMLのソースがValidでなければならない、という考え方もありました。もちろん、Validであればそれに越したことはなく、「WCAG 2.0」でも必須の要件ではないが推奨しているというスタンスです。

ただ、ワタクシもWCAGワーキンググループで「WCAG 2.0」の達成基準を作成する過程で議論に参加していましたが、前述の4つのポイントを満たしていれば、それ以外にエラーがあったとしても、それによってアクセシビリティが確保できなくなるわけではないという合意に至ったという記憶があります。

What the WCAG parsing criterion requires?

さて、具体的なコード例を交えた解説へと入っていくわけですが、最初のパラグラフの最後に"needles in a haystack"というリンクがあります。"needles in a haystack" というのは、直訳すると「干し草の山の中にある針1本」という意味で、バリデータで出てくる多数のエラーの中から、4つのポイントに関連するエラーを探し出すのは、まさに干し草の山の中から1本の針を見つけ出すほど面倒な作業だというわけです。

なお、この記事では、先ほど挙げた4つのポイントの1つめ「要素には完全な開始タグ及び終了タグがある。」を「1. Complete start and end tags」と「2. Malformed attribute and attribute values」の2つに分けているので、全部で5つのポイントになっています。

つづきはメルマガで……。

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