[記事紹介] Android 4.2.2のロービジョン・ユーザー向けアクセシビリティー機能

2013年8月 4日

投稿者:中根雅文

American Foundation for the Blind (AFB) が発効する、情報技術を中心とした話題を取り上げるオンライン・マガジンのAFB AccessWorldの7月号に、Android 4.2.2のアクセシビリティー機能に関するレビューが掲載されている。

"Android's Big Step Forward: A Review of the Screen Enhancement Features of Android 4.2.2"と題してJohn Rempel氏が執筆したこの記事では、この数年間、AppleのiOSが一般向けのOSの中では最も優れたアクセシビリティー機能を持っているものとして視覚障害者に受け入れられてきたが、Androidの最近の進歩によって、特にロービジョンのユーザーにとっては、必ずしもそうではなくなってきているのではないかと指摘している。

この記事では、Android 4.2.2を搭載したNexus 4とNexus 7に基づいて、ロービジョン・ユーザーにとってのAndroidのアクセシビリティーについて、以下の点に関する現状が示されている。

  • 画面の拡大表示
  • テキストサイズの調整
  • カラー・スキーム
  • 拡大表示と音声出力の同時利用
  • オープン・ソースとクローズド・ソース

この中で特に注目すべきだと考えられるのは、拡大表示機能だろう。

「設定」の中の「ユーザー補助」の画面にある「拡大操作」という項目のチェックボックスをオンにすることで、拡大機能を利用できるようになる。この機能を有効にしたからといって、常に表示が拡大された状態になるわけではなく、必要な時だけ拡大表示を利用できるようになる。

具体的には、1本指でのトリプル・タップ (3回連続してタップ) によって拡大表示のオンとオフを切り替えることができる。また、拡大表示がオンの状態では、ピンチ・イン/ピンチ・アウトで拡大率を変更できる他、2本指によるスクロール操作で、画面表示する位置を調整することができる。

また、拡大表示がオフの状態の時に、1本指でトリプル・タップして長押し (3回連続してタップして、3度目のタップの際に指を離さない) すると、タップした部分を一時的に拡大して表示することができる。この場合の拡大表示は、指を離すまで続き、指を離すと元の表示に戻る。

トリプル・タップして長押しの機能は、現時点でのiOSには存在しない機能だという。Rempel氏は、この機能について、小型の拡大鏡を使って読みたい場所を拡大して読むのとほぼ同じような感覚で操作でき、有用であるとしている。

また、カラー・スキームに関する記述の中でRempel氏は、Nexus 7などの標準のAndroidには、白黒反転表示にするためのオプションがないことを指摘している。その一方で、他社が開発するAndroid端末にはこの点も含めて標準のAndroidに変更が加えられていることが多く、例えばサムスンのGalaxy S3やgalaxy S4では、ユーザー補助のメニューの中に"negative colors"というオプションが提供されているという。

Rempel氏は、Androidの次のバージョン、そしてiOS 7におけるアクセシビリティーの改善に期待したいとして記事を結んでいる。

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